後藤さんに文部科学大臣賞賞状を授与。
「日本僑報」によると、新年早々の8日、東京・飯田橋で行われた日中友好協会主催の「第29回全日本中国語スピーチコンテスト全国大会」で、鹿島漢語角の後藤佑嘉さんが“高校生・一般の部”で一位の快挙を達成し、文部科学大臣賞、日中友好協会賞を受賞した。この日の出場者は“大学生の部”を含め、全国の予選を勝ち抜いた計20名の強豪揃い。身振りも交えた白熱のスピーチ合戦だった。
後藤さんは昨年夏まで茨城県鹿嶋市の住友金属鹿島製鉄所に勤務する傍ら、職場での中国語講座や週末の漢語角に参加して腕を磨いた。現在は東京の本社に転勤。昨年末の東京都大会で優勝して、都代表に選ばれた。後藤さんの演題は「自分を信じる心」。5分間の持ち時間の中で、「中学生の時、父の仕事でアメリカに行き、6年間過ごしたが、英語になかなかなじめずに苦労。しかし、日本の大学に入るため帰国する飛行機の中で搭乗員の中国語のきれいなアナウンスを聞いたのがきっかけで魅せられ、第二外国語に中国語を選び、中国語を通じて外国語への劣等感を克服し、自信と勇気を得た」という内容を、感情豊かに話した。
他に出場者は、長野県代表の中学2年生で、東日本大震災で大きな災害を受けたのにじっと我慢し、冷静さを失わない被災者の姿を見て、「礼」や「仁」を教えた孔子の思想の影響を見たという内容を中国語で大人顔負けにスピーチした男の子、発音のきれいな埼玉の女子高校生、9年前に中国語を習い始め、中国に旅行したり、翻訳の勉強もしているという神奈川の中年女性、中国と日本のお茶文化の違いをテーマにした愛知県の男性団体職員・・・と多彩だった。
大学生の部は大半が、中国の大学での1年内外の留学経験者たちで、演題の内容も豊富。中国での経験が自分にどんな影響をもたらし、どんなに成長させたかという話を、エピソードを交え、分かりやすく話した。優勝は神戸外国語大学に通う田中結衣さん、2位は東京大学の薬袋友花里さん、3位は山口県の山本美久さんだった。
審査員は、輿水優・東京外語大名誉教授ら日本人5人のほか、特別審査員として続三義・東洋大教授、謝宏宇・中国国際放送局東京支局長の二人の中国人が参加した。各参加者はスピーチの後、続教授と中国語で質疑応答をし、その結果も採点に加えられた。
今回のスピーチコンテストの快挙で、来年以降も漢語角の参加者からコンテストへの挑戦者が出ることが期待される。(杉山直隆)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年1月9日