2005年から毎年、中日両国で同時に実施される「中日共同世論調査」(2012年度版)の中国側の調査結果がこのほど発表された。中国人の日本に対する嫌悪感の主要な原因は歴史問題であることが明らかになった。中国の総合ニュースサイト「中国日報網」が報じた。
同調査によると、「日本に対してマイナスイメージを抱く原因」について、回答者の78.6%が「日本が過去に中国を侵略したから」と歴史問題を挙げた。同比率は11年より4.4ポイント上昇している。歴史問題に関しては、河村たかし名古屋市長が今年2月、南京市代表団と会談した際に「南京事件はなかったのではないか」と発言するなど、日本の政治家の度重なる不適切な発言が、中国人の大きな反感を買い、それが日本に対するイメージを直接左右する要素となっている。中国人はこの種の発言に対しては過敏なほどの反応を示し、社会の反日感情が高まる。ただ、このような不適切な発言さえなければ、中国人の日本や日本人に対する全体的な印象は決して悪いものではない。
日本の右翼勢力の歴史問題に対する態度も中国の学生・教師が不満を抱く原因となっている。同調査によると、日本に対してマイナスイメージを抱いている理由についいて、学生・教師の回答者の77.9%が、「日本が中国侵略の歴史を正しく認識しておらず、ドイツのような悔恨の情に欠けるから」と答え、一般市民より38ポイントも高い比率となっている。ちなみに11年は86.1%で、一般市民より39.8ポイント高かった。また、「歴史問題に関する日本の政治家の不適切な発言が多いから」と答えた回答者も56.9%と、一般市民より23.6ポイント高かった。このように、学生・教師は一般市民と異なり、日本が歴史問題をどのように認識しているかに特に関心を示しており、歴史問題を起因にした摩擦が、日本にとって大きなマイナス効果となっていることが明らかになっている。さらに、前出の名古屋市長の発言も12年、学生・教師の日本に対するイメージを大きく下げた。
一方、東日本大震災に伴う福島第一原発事故が日本のイメージに与えた影響は改善されている。同調査では、日本に対してマイナスイメージを抱いている原因について、「日本の原発事故に対する対処能力の低さ」を選択した一般市民は11年の40.9%から18.4%に大きく減少。一方、学生・教師の回答者も27.2%から15.9%に減少した。日本は同事故から約1年後の5月、全原発を停止したと発表し、脱原発国となり、同事故によるマイナスイメージは薄れつつある。
「人民網日本語版」2012年6月20日