「日本」と言うと、中国人はどんなことをイメージするのだろう。2005年から毎年、中日両国で同時に実施される「中日共同世論調査」(2012年度版)の中国側の調査結果がこのほど発表された。日本と聞いて、まず「電気製品」を連想する人が最も多かった。中国の総合ニュースサイト「中国日報網」が報じた。
同調査によると、回答者のうち、51.3%が「日本」と聞いてまず「電気製品」を連想、11年の49.9%よりわずかに上昇した。日本の電気製品の質の高さや、使いやすさを追求した設計、日に日に高まる中国市場での普及などが、中国人に強い印象を与えているようだ。もう少し踏み込んで分析してみると、一般市民の日本の電気製品に対する注目度は学生・教師よりも20ポイントも高い。電気製品以外に、日本の国花「桜」を挙げる中国人も多い。回答した一般市民の42%と学生・教師の46.6%が日本と言うと「桜」を連想すると答えた。
一方、学生・教師は歴史問題により敏感で、「日本」と聞いて「南京大虐殺」をまず連想した人は47.1%、「自衛隊、旧日本軍」を連想した人は9.5%に上った。「広島・長崎への原爆爆弾投下」を連想した人も9.7%いた。いずれの数字も、一般市民の割合より高い。
「南京大虐殺」だけを見てみると、11年に同事件を連想した学生・教師は45.5%だったのが12年は47.1%に上昇している。その原因の1つとして、河村たかし名古屋市長が2月、南京市代表団と会談した際に「南京事件はなかったのではないか」と発言したことが、反感を買ったと考えられる。
しかし、学生・教師は日本のアニメには好印象を抱いているようだ。同調査では、学生・教師の回答者35.2%が、日本と聞いて「漫画・アニメ」を連想すると答えた。日本の漫画・アニメは中国で、老若にかかわらず受け入れられ、若者の間では特に人気がある。中国の大学には漫画サークルや探偵サークルのほか、日本の人気アニメ「名探偵コナン」にちなんだ「コナンサークル」などまである。近年、中国で公開されている日本のアニメ映画が高い興行収入を獲得していることも、日本のアニメが中国で受け入れられていることの証拠だ。中国において、日本の漫画キャラクターは日本の文化を伝える「使者」のような存在となっている。
このほか、学生・教師の回答者のうち、11.1%が日本と聞いて「ハイテク」を連想し、一般市民の5%を大きく上回った。このことは、日本は企業、科学研究所、教育機関の連携体制が整っており、それが中国の学生・教師に魅力となっていることを表している。
「人民網日本語版」2012年6月20日