しかしこの20年間の経済状況を見ると、日本の工業分野での優位性は徐々に失われ、今後に関しても楽観的な予測が少なくなった。金融業や文化産業、サービス産業といった日本の第三次産業の場合、その優位性は依然として高く、潜在力もあるが、長期的なデフレ、人口のマイナス成長などが市場をシュリンクさせており、海外進出圧力は高まるばかりである。
このような状況を打破するため、少数だが行動に転じる企業が出てきた。日本最大のEコマース企業である楽天は、2012年7月より、社内公用語を英語に変えた。社員食堂のメニューまで英語に取って代わった。
日本最大の富豪である柳井氏が率いるユニクロも、社内公用語を英語に変えた。文化保守主義者は、企業が英語を強制することを日本語と日本文化を滅ぼす行為だと言って非難した。また英語化政策が日本人の就業競争力の低下をもたらすと心配する人もいた。もっともこれは今のところ、低迷する就業状況にあって大きな問題にはなっていないが。
相反する見解は、文化的な立場の違いから来ている。ビジネスに国境はない。グローバル時代は直接性と効率性が求められる。しかし日本語は曖昧さと協同を好む言語である。少なくとも現在のところ、両者が合体した和製英語は、日本がグローバル化する過程において障害となっている。すでに人々の求めるものに対応できなくなっており、放棄される趨勢にある。
しかし筆者は、これは単に日本が国力低下、経済不況下にあるためであり、その場限りの動きと見る。明治維新以来の日本の英語利用と改造の歴史から考察すると、危機が去って一息付いた頃、従来とは異なる和製英語的な方式が日本語システムの中に取り込まれていくと思われる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年9月2日