公明党の山口那津男党首は1月25日、中国共産党の習近平総書記との会談を果たした。5ヶ月に及ぶ激しい領土紛争以降、初めて中日双方の上層部によってもたらされた和解の兆しに、日本メディアは次々に安堵の様子を見せ、中国メディアもプラス面での報道が行われるようになった。シンガポール紙「連合早報」1月30日の報道。
そろそろ潮時だったことも確かだ。中日間の領土問題が一定の危険水域に達し、世界の注目を集めていた。中国でも日本でも、一部の冷静な人たちが、「売国奴」呼ばわりされつつも、膨張した民族主義の空気をやっとの思いで押さえ込んでいた。中日双方の政治家は、よく分かっていたのだ。鄧小平が1978年に提示した「一旦棚上げ、後世に解決させる」方針が唯一の解決方法なのだということを。
開戦への難色は中日両国で明らか
石原氏による去年5月の挑発行為は協議を破っただけでなく、中国人の国民感情を煽ることとなった。だが、双方とも明らかに開戦に後ろ向きで、適度の抑圧をかけていた。戦闘機を集結させただけで、双方とも兵を動かすことはなく、対抗戦も海洋監視船同士の口頭での警告のみに限られている。
習近平は、まさにこのような背景の下、かなり友好的な雰囲気の中、北京で日本の特使に接見したのである。今回の会談の前、中国側高官が鄧小平の1978年案に立ち戻って解決を将来に持ち越すことを提案した。この提案は米国の支持を得たようで、『ワシントンポスト』1月26日の社説では「再度棚上げ」を呼びかけている。
だが、日本がどのような反応を見せるかは予測が難しい。日本の無党派層には賛成の声もあるが、日本の高官たちはこれまで紛争の棚上げ論に反対してきているため、ここで棚上げ論に加担すれば、中国の圧力に屈したようなイメージが強くなる。この棚上げ論または穏便な方法を提唱する者はみな、政治家として辱めを受ける危険性がある(元駐中国大使の丹羽宇一郎のように)。