中国はもうすぐ春節だ。最近、「日本の正月がめんどうだ」と中国版ツイッター「微博」で愚痴をこぼす友人がいた。日本の主婦にとって、正月はお気楽で楽しい祭日ではない。むしろ学年末テストに近いものである。
クリスマスツリーの下にプレゼントを置くや否や、主婦たちはすぐ大掃除に取り掛かる。そして屋内外に干支の動物などを使って伝統的な飾り付けをする。正月は日本で最も重要な祭日だ。だから大晦日の夜から1月3日まで、日本の伝統的な美食が並ぶことになる。外国から来た嫁である私も、見た目は簡単そうだが実はこまごまと煩わしい料理を徐々に学ぶことになった。
日本では1年間働き詰めの主婦の負担を正月には軽減させるという風習がある。だから箱詰めの料理が作られる。冷たい料理が多く、暖かい料理はお雑煮だけである。1月3日までフライパンを使うことはない。箱詰めの料理は、買うにせよ作るにせよ、12月31日までに完成させる。
中国料理と同様、祭日の料理に使われる食材は縁起を担いだものである。お年寄りは子供たちに、これら食材の持つ意味を倦むことなく教え込んでいる。たとえば昆布は喜びを表現している。黒豆は勤勉を象徴している。カズノコは子孫繁栄の象徴である。エビは長寿を意味しているなどだ。中国では、レンコンには「切っても糸を引いてつながっている」、つまり「つかず離れず」といった意味があるが、日本では「穴の向こうに未来が見える」という縁起のいい食材である。卵で作られる「伊達巻」は、古代の竹筒書に似ていることから、学問の修練を象徴している。
他にも、一頭地を抜くという意味のあるクワイ、子孫繁栄のサトイモ、五穀豊穣のイワシなどがある。
日本料理好きなら誰でも知っていることだが、日本料理はさっぱりとした味付けをすることで、食材本来が持つ味を引き出すことに特徴がある。いつも食べている食材を、組み合わせの妙で特別な味に変えることもできるのだ。