そして、刺激政策がその「打開策」となった。深刻な衰退を何とか食い止めるため、それは必要なことだった。だが、刺激策はあくまでも一時的に景気を後押しするためのものであるはずだ。いったん景気が調子づけば、あとは自力でそれを維持していかなければならない。だが、日本ではこのバトンタッチがうまくできていない。最も長い経済成長期(2002~2007年)には円安に依存しすぎた。円安は輸出モデルの復興を促進したが、08~09年のリーマンショックが、その全てに終止符を打った。
ここで我々が学ぶべき教訓は、巨額予算赤字と超低金利は、ともに刺激策の基本的要素ではあるが、それぞれやはり限界があり、下手をすると逆にひどい目に遭うということだ。例えるなら、刺激政策とは麻酔剤のようなものだ。使用後、短期間は調子がいいが、その効果はだんだん薄れてくる。そして、経済はまた新しい刺激措置を必要とするのである。度重なる刺激措置は、日本がこれまでも経験してきたように、そこからまた新しい問題(例えば負債の肥大化、資産バブル、インフレ等)を派生させる。
日本は、ある種の落とし穴にはまったと言える。経済成長を促す刺激策を必要とする一方で、これまでの刺激策による負債が、未来の経済成長を脅かしているのである。日本人エコノミストの星岳雄、伊藤隆敏両氏の試算によれば、国債の約95%は、日本の投資家――銀行や保険会社、年金ファンド等――によって保有されている。これらの投資家がしびれを切らして国債を購入しなくなれば、日本経済は自爆してしまう可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年2月14日