日本の大気汚染対策 中国の教訓になるか?

日本の大気汚染対策 中国の教訓になるか?。

タグ: 濃霧,PM2.5,汚染物質,環境保護

発信時間: 2013-02-25 13:40:55 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

写真:濃霧に見舞われた天津市の街道(2月17日撮影)。同日、天津市の一部では可視度が500メートルを下回り、さらには200メートルを下回る地区もあり、高速道路が一部閉鎖された。

昨年末から今年の年初にかけて、北京などの地域で汚染物質を伴う濃霧が相次いで発生しており、PM2.5が注目されるデータとなった。日本メディアは、「隣国の日本でも、中国から飛来した汚染物質が観測された。日本政府は全国各地に対して、PM2.5のモニタリングを強化するよう求めた」と伝えた。中国の大気汚染が日本に影響を及ぼしているかについては論証中だが、環境保護の模範国である日本の大気汚染対策の経験は、中国にとって教訓となるかもしれない。

■アジアで最も厳格なPM2.5基準

敗戦後の日本は経済発展を重視し環境保護をおろそかにしたため、深刻な環境汚染が発生し、「公害先進国」と揶揄された。高度経済成長に伴い悪化を続ける環境は、日本の一般人に深刻な被害をもたらした。日本の大気汚染を最も早く発見し予防を主張したのは、地方政府ではなく、汚染の被害にあった現地の住民であった。日本では1950年代より、各地で大気汚染に関する住民運動が発生した。これらの住民は無目的な散歩を行なったのではなく、現地の行政部門を直接訪問し、大気汚染の状況に注目するよう求めた。

東京都は2003年、PM2.5以下の微粒子(特にディーゼルエンジン、自動車の排気ガス)を対象とする初の法規制を行った。東京が実施中の同基準はアジアで最も厳格なもので、1日当たりの排出上限は35マイクログラム、年平均の排出上限は15マイクログラムとされた。

■日本の大気汚染の法規制

日本の環境保護は、地方の法制度化が国に先駆けるという、下から上への推進を特長とする。

大気汚染防止法の目的からは「経済との協調」という条項、「指定地域」という内容が削除された。これにより地方政府は国より厳格な基準を制定し、総量の上限値および無過失損害賠償責任を独自に設定することが許された。そのうち汚染防止措置を強化するため、厳格な「直罰制度」が設けられた。排気ガスの排出基準に違反した場合、直ちに罰則が適用されることになり、法律の実効性が高められた。

■省エネ・排出削減 日本のエコカー補助金

日本は1980年代より、PM2.5の人体に与える影響について分析・検討している。専門家は、大都市のPM2.5は主に自動車の排気ガスによるものとする考えで一致している。

日本政府は2009年、エコカー補助金制度を実施し、ハイブリッドカーなどの環境にやさしい車を購入する消費者に対して補助金を支給した。これにより自動車の消費が刺激され、省エネ・排出削減が促された。

■エネルギー構造 新エネルギーを積極開発

日本は前世紀の2度のオイルショックから教訓を汲み取り、石油依存度の低下を推進し、原子力や天然ガスなどの新エネルギーを積極的に開発した。

一方で中国は現在、依然として火力発電を中心としている。中国国家統計局が発表した「2011年国民経済・社会の発展の統計公報」によると、火力発電は発電量全体の約81%を占めている。クリーンエネルギーの開発・利用は、中日両国ひいては世界にとっての課題である。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年2月25日

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