日本メディアは、海上自衛隊の2012年3月に就役したそうりゅう型AIP(非大気依存推進型)潜水艦の最新艦である「けんりゅう」の内部を撮影した写真を公開した。
けんりゅうの基準排水量は2950トン、水中排水量は約3300トンで、全長84m、全幅9.1m、喫水8.5mに達する。4基のスターリングエンジンを搭載しているため、おやしお型潜水艦の基準排水量を約200トン上回り、全長が約2メートル延長された。その外観はおやしお型とほぼ同じで、船型はいわゆる「葉巻型」のフォルムを採用した。
けんりゅうのAIPには、4基のスターリングエンジンの他に、液体酸素室や廃棄処理・排出装置などの、関連する補助的な設備が含まれる。
AIPの他に、けんりゅうはおやしお型の十字型の後尾舵をX型に変えた。防衛庁技術研究本部は1996−1999年の数年間に渡る研究・テスト・性能確認により、X型後尾舵が十字型より多くの長所を持つという結論にいたり、そうりゅう型潜水艦への搭載を決定した。
けんりゅうに搭載される魚雷や対艦ミサイルなどの各種武器はおやしお型とほとんど同じだが、潜水艦の武器装備の管理には新型船内ネットワークシステムが採用された。また潜水艦の作戦情報処理システムのコンピュータも、成熟した実用化技術が採用された。同潜水艦には533ミリ魚雷発射管が6門設置されており、おやしお型の魚雷発射管とはまったく異なっている。
魚雷発射管の具体的な配置を見ていくと、潜水艦前部の上下二層に分かれている(上層は2門、下層は4門)。89式魚雷、ハープーン対艦ミサイルを発射でき、機雷も設置可能だ。
けんりゅうのソナー・システムはおやしお型に搭載されているZQQ-6の改良版ソナーで、艦首の円柱形ソナー、艦首型アレイ、側面型アレイ、曳航ソナーTASSから構成されている。そうりゅう型に搭載されている対海捜索レーダーはおやしお型と同じく、ZPS-6シリーズのレーダーだ。