いかなる幻想も抱かないことこそ、日本の実利的な考えを反映している。実力主義と実利主義を重視する日本の「町人根性」の影響下において、日本人は唯一正確な価値観を認めず、絶対的な正義も認めない。
2020年の東京五輪、中国が「ほっと一息気を緩めることのできる7年間」と言うよりは、中日対立のラストスパートに向けた最終期限と言うべきではないだろうか。1945年に始まり、故意に避けられてきた歴史における怨恨や憤懣、現実的な利益の衝突、そして2012年から中日関係は緊迫した状態が続き、現状を見る限り、より一層深刻な衝突は極めて避けがたい状況である。
2020年は中国の全体的な発展要綱と中間期計画の区切りの年でもある。今後7年間は、中国の改革がより一層深化する険しい道のりが続く時期であり、政治改革にしても、社会や経済の改革にしても、圧力とリスクは非常に大きいものとなる。それはまた、外敵に攻撃する「隙」を与えてしまう時期でもある。中日間で武力衝突が勃発する可能性は、今後ますます大きくなり、緩和の機会は訪れないだろう。五輪によって、日本が鋭い爪を収め、低姿勢になるとの無邪気な見方をするならば、「九・一八事変(満州事変)」の後に国連が日本への制裁行動に出ることに期待した時と同じように、再び苦い結果を泣く泣く受け入れることになってしまう。
(文/オーストリア在住中国人学者 雪珥)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年9月23日