過去1年間、安倍内閣は釣魚島係争に強硬に対処する一方で、多国間外交を積極的に展開し、国際的支持を取りつけようと試みた。東南アジア諸国を全て訪問し、欧米諸国とも広範な働きかけ合いを行った。ロシアと2プラス2会談を行いさえした。中国が東中国海防空識別圏を発表すると、安倍政権はなおさらに国際社会の力を借りて中国に圧力をかけようと試みた。バイデン米副大統領の訪日時、安倍氏は中国の東中国海防空識別圏設定について米国と共同声明を発表するとの願いをかなえられなかった。12月中旬に東京で開催した日本・ASEAN特別首脳会議でも、ASEAN加盟国の大多数が反対したため、「中国の脅威」などの表現を共同声明に盛り込むことができなかった。
米国とASEANの姿勢は実はすでに明らかだ。たとえ同盟関係にあっても、米国は日本の独断専行も、事態が制御不能になることも、日本の一方的な冒険的行為の後始末をさせられることも望んでいない。ASEANも政治的知恵があるため、日本陣営に加わって応援することはあり得ない。米国とASEANの対日支持には条件と限度がある。