今年1年の世相を表す「今年の漢字」の発表に先だって安倍首相は12日、自らの1年を振り返り、「夢」という漢字を選んだ。安倍首相は東京五輪の招致成功を理由に挙げたが、日本の「新華僑報」は、安倍首相の夢は決してこれだけではないと指摘した。憲法改正、集団的自衛権の行使によって日本の敗戦国のイメージを変えることにある。それはつまり「平和憲法」の制約を受けず、歴史の負担を背負わないということだ。彼の積極的平和主義はまったくのペテンであり、笑い話に過ぎない。
安倍政権は17日、国家安全保障戦略を閣議決定した。このところの安保政策上の一連の動きはすでに戦後日本が平和国家構築に力を入れてきた形態を根本から変えている。
今回の安保戦略のキーワードは、「積極的平和主義」だが、新防衛大綱の中の安倍政権の軍事偏重はいかなる形式の「平和主義」にも相反しているといえる。笑止千万なのは、軍事力拡大はよりよい平和のためだという。平和は武力によって維持するものか。安倍政権は真の目的を完全に暴露してもなお平和主義の衣をまとおうとしている。積極的平和主義はまったくのペテンで、反論に耐えられない口実にすぎない。
この「積極」的の論理は、日本が戦後国際紛争を遠ざけてきた平和主義のやり方は「消極」的という考えだ。これは日本が防衛戦略から自発的な進攻戦略に徹底的に方向転換したことを表している。国家安全保障会議を設置し、多くの人の反対をおして特定秘密保護法を成立させ、国家安全保障戦略を閣議決定し、そしてさらに自衛権を集団的自衛権に改めれば、安倍首相の「夢」はほぼ実現し、日本の戦後の平和主義の立国理念は完全に崩壊することになる。