「国家安全保障戦略」、新たな「防衛計画の大綱」、「中期防衛力整備計画」が12月17日に閣議決定された。この3種類の文書は、日本が今後5−10年に軍事安全分野で講じる戦略・政策・行動を浮き彫りにした。アベノミクスが「三本の矢」だとするならば、今回の安保政策は「三つの斧」と呼べる。
この「三つの斧」の中心的な内容は次の通り。(1)いわゆる「積極的な平和主義」をPRし、国家安全戦略における軍事安全手段の地位と役割を強化する。(2)今後10年間に渡り、「総合機動防衛力」を構築し、軍拡を進める。(3)今後5年間に渡り防衛予算を増やし、先進的な武器・装備を補充・導入する。
安倍首相は「三つの斧」に包装を施し、世界の輿論にその輝かしい上辺を見せつけようとした。上述した文書は、「日本は平和を愛する国として、これまで通り平和の道を歩み続ける」、「日本は国際事業の重要な参加者として、より積極的・能動的な役割を演じる」とした。
この「三つの斧」は、安倍首相を始めとする日本の右翼勢力の野心を再び露呈した。安倍首相は再任後間もない今年2月に訪米した際に、「私は戻ってきた、日本も戻ってくる」と語った。安倍首相は経済面の「三本の矢」と安保面の「三つの斧」により、本人の「日本は今もこれからも絶対に二流国にならない」という信条を現実化させようとしている。
この「三つの斧」により、日本は文書の称するような「平和の道」を歩み続けることはなく、「再軍事化」の道を歩むことになる。まず日本では、侵略の歴史を正視せず、さらには侵略の歴史を否定する「逆流」が、「主流」になるすう勢を示している。次に日本は、隣国との領土・海洋の権益を巡る係争において、挑発の流れを続けている。それから日本は、安全戦略面で「専守防衛」を突破し、「中国脅威論」を誇張する流れを形成している。