シンポジウム「新たな出発点、新たな理念、新たな実践--2013年の中国と世界」が16日に北京で開催された。中国社会科学院日本研究所の高洪・副所長が現在の中日関係について発言した。高副所長によると、日本は中国の周辺外交環境における特例であり、特殊な存在である。現在の安倍政権は、中国の軍事的脅威を誇張し、中国のイメージを貶め、中国の海洋拡張という口実を隠れ蓑に自己の海洋拡張を進めている。両国関係の協議のテーブルへの復帰が難しく、対話と意思疎通を通じた打開が難しいのは、そのためだ。
高副所長によると、日本の政治家と日本政府は表面的には、中国と同様に、両国関係の大局を重視しなければならないと主張している。安倍首相もこれまでに、中国との誠実な意思疎通と対話を進めたいとはっきりと語っている。だが実際は、日本は少なくとも現在まで、中国の周辺外交にとっては負のエネルギーであり、中国の発言権と影響力を非難し低下させる方法によって中国の周辺環境を破壊しようとしている。中国に対抗しようとしている日本にいかに向き合うかは、中国の周辺外交の良好な外部環境構築において、熟慮と研究に値する問題と言える。
高副所長によると、中日両国は外交において相手を強く意識しながら、形式的には、相手をあまり気にしないような、相手がいないような態度を取っている。これは非常に不自然で、少し興味深い状況と言える。安部首相は遠回りの外交を好むようで、中国周辺を行ったり来たりしている。最近も東京で日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の会議を開いた。日本の一方的な動きばかりで、あまり成果を上げているとは言えないが、その頑固な考えと願いは実行されつつあると言える。中国は中国で自らの外交を進めており、これも日本が焦る原因となっている。
高副所長の分析によると、日本の一貫した安全保障政策に変化はない。さまざまな国や日本国内の有識者らには現在の安保政策への異論もある。日本の現在の国家イメージは次の3つにまとめることができると考えられる。第一に、現在の安倍政権は戦争ができる国のイメージを積極的に作ろうとしている。これは平和憲法からの公然たる離反であり、戦争に通じる道を開くものだ。第二に、日本国内からも、警察国家が作られようとしているという批判が噴出している。第三に、周辺地域におけるソフトな覇権国家のイメージである。
高副所長は、このような状況において、中国がいかに日本に対処するかをさらに研究していかなければならないと主張している。中国は、平和・対話・意思疎通といった面と向かった方法で矛盾を解消することを望んでいるが、そのためには、政治的な相互信頼を高め、相手が誠意を持った対応をするということが前提となる。(編集MA)
「人民網日本語版」2013年12月18日