安倍首相は上述した流れの勢いを強め、これを利用しようとしている。安倍首相の振るった「三つの斧」は、戦後形成された平和憲法と国際秩序の束縛を破壊し、日本を「戻らせる」ことを目的としており、「かつての輝き」を取り戻すことで、アジアで再び覇を唱えようとしている。そのために安倍首相は中国を最大の仮想敵国とし、「中国脅威論」を誇張している。これは地域の平和的な発展の流れに背いており、逆行している。
歴史を歪曲し、隣国を敵視する国が、いかに「価値観外交」を推進し、いわゆる「民主的安全保障ダイアモンド」を計画し、「積極的な平和主義」を吹聴しようとも、隣国や国際社会から信頼を獲得することはない。アジアの一部の国はさまざまな原因により、日本の「再軍事化」を一時的に迎合・黙認・支持するかもしれないが、この「再軍事化」が地域にもたらすのは福ではなく、地域の安全情勢により多くの複雑な要素を追加する。最終的に、日本にもたらされるのも福とは限らない。
安倍首相が経済面で放った「3本の矢」は、日本経済を刺激したかのように見えたが、現在の経済指標を見ると当初の勢いが弱まっているように見える。安倍首相が安全面で振るった「三つの斧」は、日本の「大国の振興」を促すというよりは、最終的に自滅の道を歩むだろう。(筆者:賈秀東 中国国際問題研究所客員研究員、海外網コラムニスト)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月20日