13日から15日にかけて開かれた日本・ASEAN特別首脳会議で、日本は「対中包囲網」の構築に力を入れた。安倍政府は2兆円(約192億米ドル)規模の政府開発援助(ODA)を拠出することを約束し、インドネシア、フィリピン、シンガポールの3カ国との「通貨スワップの限度額を2倍に増やした。さらに、フィリピンの台風の被災地再建と巡視船10隻の購入に690億円の円借款を供与すると表明した。これらの一連の措置を受け、ASEANは日本側に立つだろうか。
中国社会科学院日本研究所の高洪副所長は、「人民網」のインタビューに対し、「日本は一部の周辺国を引き込んで中国に対抗する同盟を築きたいと考えているが、今回は失敗した。安倍首相が考える『ジャパンドリーム』は、改憲を通し、日本を戦争できる国にすることである」と話した。
記者:日本はなぜこの時期にASEANと特別首脳会議を実施したのか。
高洪副所長:12月17日、日本の内閣は会合を開き、安倍首相の「安保3本の矢」(国家安全保障戦略、新防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画)を打ち出す。これは、安倍政権の推進の下で地域の覇権を求め、中国に対抗するという日本の考えを反映している。
日本は軍事発展の取り組みを強化し、総合機動防衛力を高め、質と量の両方で軍事強国になる歩みを進めている。その一方で、安倍政府には、外交において、国連安全保障理事会の常任理事国に加入するという重要な方針もある。安倍首相の「安保3本の矢」は、「日本の安全環境は中国の圧力と挑戦を受け、いわゆるこのような挑戦に対応するため、日本は日米同盟に頼るだけでなく、いわゆる中国と矛盾がある全ての周辺国と連携をはかり、多国間協調を通して日本に有利な安全環境を作り出す必要がある」という非常に明確な意思を示している。
このような考えから、安倍政府は日本・ASEAN特別首脳会議を開き、多額を費やして東南アジア、ASEAN加盟国のいわゆる中国と矛盾がある国を引き込もうとした。安倍首相は日本に有利で、中国をけん制できる共同声明または共同宣言を作りたいと考えていた。しかし、東南アジア諸国はこの問題において自国の利益があり、中国の影響力と国際地位を無視するはずはない。そのため、修正せずに日本の主張に同意する国はなかった。フィリピンでさえ、日本が主張する中国脅威にはっきり賛成しなかった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月17日