インド英字紙『Deccan Herald』(ウェブ版)は17日、インドと日本が木曜日に、インドの海域で初の海軍合同演習を実施すると伝えた。これは、新たな戦略の軸を形成する信号を発した。
この4日間に渡る演習はベンガル湾で実施される。内容には、海賊対策、砲撃、ヘリ甲板着陸、対潜作戦が含まれる。同演習は、両国合同の海上安全行動の能力強化を目的としている。インドが建造した「サトプラ」ステルス艦、「ランヴィジャイ」ミサイル駆逐艦などが同演習に参加する。日本側はミサイル駆逐艦の「ありあけ」、「せとぎり」を派遣する。同演習は港湾と海上でそれぞれ2日間に渡り実施される。海上では海賊対策で頻繁に実施される乗艦・レスキューの訓練、対艦・対潜・対空作戦が含まれる。
米軍事情報サイト「Strategy Page」の資料によると、「サトプラ」はインド海軍の「シヴァリク級」ステルス艦の3番艦、本国で建造された2隻目で、2011年に配備された最も先進的な護衛艦だ。海上自衛隊が派遣する艦艇は、最新艦ではない。「ありあけ」は2002年に配備された、「むらさめ型」駆逐艦の9番艦(むらさめ型の最後の艦艇)で、排水量が6000トン以上に達する。「せとぎり」は「あさぎり型」駆逐艦の6番艦で、満載排水量は4200トンに達する。
インドメディアは今回の演習を、新たな戦略の軸を形成する節目としてとらえているが、実際には両国にとって初めての海上合同演習ではない。『Deccan Herald』(ウェブ版)によると、アントニー国防相が2011年に東京を訪問した際に、両国が定期的に海軍合同演習を実施することで合意していた。初の海軍合同演習は2012年1月に日本近海で実施され、今回の演習はその返礼になる。海上自衛隊は2007年に、インド主導の多国間海上合同演習に参加していた。
海上演習の他に、インドと日本の軍事交流・協力が近年頻繁化している。ロシア紙の報道によると、インド軍は日本企業に対して、高空気象レーダー、火器管制システム、艦載光電システムなどの設備の調達意向を示した。インド軍は、日本が最終的に高空気象レーダーの販売に応じる可能性が高いと称している。インド軍はこれらのレーダーを、カシミールのラダックに配備することになる。同レーダーは科学研究目的に使用されるように聞こえるが、実際には軍用遠距離警戒レーダーの派生品だ。インド軍は同レーダーにより、ヒマラヤ山脈から周辺諸国の中国・パキスタン・アフガンの情報を収集し、特に中国とパキスタンの弾道ミサイルへの監視能力を強化できる。インド英字紙『ザ・タイムズ・オブ・インディア』は先ほど、「両国の軍事協力関係の発展に伴い、インドは今後すべての港湾を日本の艦艇に開放し、地政学・軍事資源の共有を実現する」と伝えた。