侵華日軍第731部隊罪証陳列館は新華社記者に18日、731部隊が人体実験と細菌の研究・生産に従事していたことを示す最新の証拠を再度公開した。これにはペスト菌の生産に用いる電流孵卵器、細菌戦の戦犯の供述書、「マルタ」(被験者)輸送の記録、731部隊の当時の写真が含まれ、同部隊の非人道的な暴行の新たな証拠になった。
保存状態が良好な四角形の金属ケース内には金網があり、外側には金属ドアが、内側にはガラスのドアが、天井には照明と換気用のバルブがある。同館の金成民館長によると、これは普通のケースではなく、731部隊がペスト菌の生産に用いたものであり、細菌実験を行っていた揺るぎなき証拠となっている。
この証拠は731部隊細菌生産班の隊員だった、上田弥太郎の供述にも出て来る。上田は1954年9月3日に、太原で取り調べを受けた。中央档案館が編集し、中華書局が出版した『細菌戦と毒ガス戦』は、上田の証言を記録している。上田は「培養室……、毎日10キロの細菌を生産できる。輸送機で培養室に移し培養し、12時間もしくは24時間で完成する。それから細菌を瓶に詰め、各班に輸送する。私が所属していた3班は、孵卵器で細菌を生産していた。ペスト菌の生産に用いる4つの電流孵卵器があった」と供述している。
金館長によると、この貴重な収蔵品はハルビンの民間から集められたものだ。731部隊は慌ただしく敗退し、一部の物品を処分する時間がなかった。「これらの収蔵品は、731部隊の元隊員の供述と裏付けあっている。NHKが今回公開した録音には、731部隊生産班の班長だった、柄沢十三夫という戦犯が登場する。これは731部隊が細菌実験と研究を行っていた直接的な証拠だ」
公開された新発見のうち、3通の黄ばんだ文書は、中国侵略日本軍の人体実験と細菌戦の事実をありのままに記録している。うち2通は細菌戦の戦犯による自筆の供述書だ。1通の内容は、731部隊大隊支部研究員の岩下光之が在職中、炭疽菌を生産した事実となっている。もう1通は、同じく細菌を開発していた関東軍第100部隊陸軍中佐の安達誠太郎の供述内容で、731部隊と第100部隊の細菌実験の罪を詳細に記録している。
同館の研究員は、偽ハルビン鉄道警護旅団の資料が、共産党員1人を「マルタ」として731部隊の人体実験に送った事実を記録していることを発見した。金館長は「これまで見つかっていた特別輸送の記録の多くが、関東軍憲兵隊が731部隊にマルタを送っていた内容で、偽ハルビン鉄道警護旅団による輸送は今回初めて見つかった」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月19日