日欧経済協力の強化という願いを抱く安倍首相は、中国けん制を目標とする大っぴらな広報活動を展開するため、4月30日より欧州諸国の歴訪を開始した。
安倍首相の政権運営開始から1年余りの状況を見ると、このような外交活動を非常に好むことが分かる。複雑かつ困難な国内の政治・経済問題と比べ、外交活動は安倍首相が国際的な利益のため「一生懸命頑張っている」というイメージを、日本国民に見せつけることができる。
また外交訪問は安倍首相に対して、「本音」を明かす舞台を提供している。当然ながら、中日・韓日関係が低迷する今日において、訪欧のような第3国での外交はまた、安倍首相が中韓という隣国と距離を隔てて駆け引きをする戦場になっている。安倍首相は訪欧前に、ドイツ紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)」の取材に応じた際に、「ドイツの和解や謝罪の仕方をまねすることはできない」と再び頑なに表明した。
中韓両国政府は最近、歴史問題の解決および戦争の罪の反省について、ドイツに学べと呼びかけているが、安倍首相の発言はこれを乱暴に拒むものだった。
そればかりではない。安倍首相は日本の右翼が期待しているように、「正々堂々」と日本の主張を口にした。「第2次大戦後の欧州とアジアの歴史は完全に違う。第2次大戦以降、欧州の最大の課題は統合だった。その過程で、ドイツは謝罪を通じた和解と平和を実現することができた」、「日本は開発援助の手段により、貧困にあえぐアジア諸国の支援を続けてきた」