安倍首相のこの発言は、日本の立場に理解を求めているというよりは、日本が戦後置かれた状況はドイツよりも良かったと自慢しているように聞こえる。安倍首相のこの得意げな宣言に対して、あるドイツの歴史学者は、「安倍首相の発言は、自分の都合の良い解釈のために一部だけを切り取ったものに過ぎず、歴史認識で本末転倒している」と指摘した。
安倍首相の右翼的な立場は周知の事実となっており、このような発言をしたのも不思議なことではない。しかし安倍首相の妄言は、日独両国間に存在する、戦争および歴史認識に対する深い溝を再び明らかにした。しかしこのような差は、戦後すでに存在していた。世界の現代史を知る読者ならば、敗戦国のドイツと日本に対する、連合国の処理がまったく異なっていたことは知っているだろう。
今回の発言を見ると、安倍首相は日本の過去に目を閉ざす政治家になろうとする意志を固めたようだ。それならば、中国と韓国の政府と国民は、安倍政権にいかなる幻想を抱くべきではなくなった。やるべきことは、安倍首相の間違いを徹底的に批判し続けることだ。(筆者:劉元海 東アジアの歴史研究者、観察者網の日本駐在員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年5月5日