注意すべきは、アベノミクスの重要な内容である構造改革の遅れであり、これは日本経済のプラス材料が出尽くしたとも言える。今年4月より、日本政府は消費税を8%に引き上げ、経済成長の将来性に対する自信、構造改革推進の決意を示した。しかし日本経済の回復は安定した流れになっておらず、特にデフレのリスクが解消されていない中での消費増税は、経済に大きな衝撃をもたらす恐れがある。日本の小売市場ではこのほど大幅な変動が生じ、衝撃の第一弾となっている。
構造改革の不足により、日本経済は持続的な原動力の不足に陥っている。安倍政権はこのほど、米国やEUとの貿易交渉を加速し、海外との経済・貿易関係の強化により新たな成長源を模索しようとしている。しかし遠方の水は現在の渇きを癒せないと言われている。日本の4月の製造業PMIは一気に50を割り込み、日本経済の楽観できない未来を示した。
孫子の兵法では、「一鼓して気を作なし、再びして衰へ、三たびして竭つく」とされている。アベノミクスの2年間の刺激効果は、失われようとしている。「失われた20年」の構造的・根本的な問題が解消されなければ、紙幣大量発行によりデフレを脱却したとしても、持続的な成長を迎えるとは限らない。複雑化する債務、内需の不足、構造の乱れといった問題に対して、安倍首相が効果的な対策を講じられなければ、日本経済は短期的な成長後に再び転落する可能性がある。(筆者:羅寧 北京の専門家)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年5月24日