これと対照的なのが、日本を代表するアニメ作品でありながら近年ほとんど目にすることがなくなった作品だ。その例がドラえもんより20歳年上で、日本のアニメ界の鼻祖と呼ばれる「鉄腕アトム」だ。21世紀の未来を舞台に、原子力をエネルギー源として動き、人と同等の感情を持った少年ロボット「アトム」は一世を風靡した。しかし、今日では武力をもって闘うといった要素は魅力を失い、福島原発事故後は「核」が原因でアトム反対の声まで噴出した。
ドラえもんの平和・友愛のイメージは戦後の日本のイメージ作りに貢献したといえ、日本のソフトパワーの体現にもなったと言え、「平和な日本」を求める国際社会の期待に応え、世界でも広く歓迎された。日本の右翼勢力によって破壊されつつある日本のイメージと比べれば、ドラえもんのイメージがよいと言う人が多いに違いない。日本が国際社会で再び人々の心をつかむためには、ドラえもん成功の経験に学び、正しい歴史認識を持って、友愛の精神と誠意ある行動が求められる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年5月25日