九・一八事変(柳条湖事変)からまもなく83年が経とうとしている。中国各界の人たちはさまざまな形で日本右翼勢力が侵略の歴史を否定し、人権を侵犯した罪を覆い隠そうとするやり方を非難している。
黒龍江省佳木斯(ジャムス)市の定年退職した幹部宋金和氏はこのほど、日本侵略軍の九・一八事変の準備に関する機密命令を公開し、事実で日本軍による侵略戦争が前々から企んでいたものだと証明している。
日本軍国主義による侵略行為の真相を究明し、日本軍国主義侵略の本質と中国で犯した大きな罪行を暴露するため、宋金和氏は45年間にわたって、日本人友人の寄付や高価で個人の所蔵品を購入するなど多くのルートを利用して、中国侵略日本軍の軍服や、写真、地図、雑誌、記念バッジなど1万点あまりを手に入れた。また、宋金和氏は「日本軍侵略証拠品陳列室」を設立し無料で開放し、歴史教育を行っている。
宋金和氏の所蔵品は1931年の九・一八事変から1945年8月15日の日本無条件降伏までの侵略戦争の歴史、さらに日露戦争、甲午戦争の全過程を再現できるほどだ。そのうち、日本軍が九・一八事変を発動する準備に関する機密命令はこれまで中国で発見したこの事変に関する唯一の日本軍作戦命令で、史料としての価値はきわめて大きい。
宋金和氏は「これは1931年9月17日(昭和6年9月17日)に日本関東軍長春駐屯歩兵第3旅団長の長谷部照俉が、第4連隊長子爵大島陸太郎に下した事変計画への準備命令で、番号は歩兵三旅乙第一六九号だ」と紹介した。この命令は縦32センチ、横24センチ、すかしと手書きの2つの部分からなっており、右上には「秘秘」、下には「陸軍」という文字があり、それに「歩兵第三旅団長の印」が捺印されている。命令には第4連隊と鉄道「守備隊」が北本部を奇襲攻撃し、長春駐屯主力の一部が柳条湖付近と長春の中国軍隊を攻めるなどの内容が記録されている。
ここ数十年間、「日本軍中国侵略証拠品陳列室」がずっと無料開放されている理由について、宋金和氏は「これら証拠品の一点一点は日本軍による侵略戦争の歴史を再現し、侵略者の反人類、反人間性の残虐な行為を記録している。無料開放によって、より大勢の若者が侵略された歴史を覚え、平和をもっと愛することを願っている」と説明した。
中国国際放送局日本語版 2014年9月18日