「第10回北京—東京フォーラム」は28日午後、「中日の相互尊重と健全な世論」をテーマとしたサブフォーラムが開催された。人民日報社の上級編集員で国際部編集長を務める呂鴻は討論の中で、「メディア人の生命と言えるのが、客観性・真実性・全面性である。それは歴史に対する客観性、歴史に対する真実性、歴史に対する全面性であると同時に、現実に対する客観性、現実に対する真実性、現実に対する全面性でもある。「中日の相互尊重」と「健全な世論」とは相互に因果関係を持ち、互いに補い合うものだ。つまり一方で、中日両国とりわけ両国メディアが相互に尊重することは、健全な中日世論環境の形成につながる。もう一方で、健全な世論環境は、中日両国の相互尊重を助けることになる。不健全な世論環境の下では、中日両国が相互に尊重することは難しい」と述べた。
呂鴻氏は、「『人民日報』を例にとって言えば、月曜日から金曜日まで24面で発行されているが、そのうち4面が国際報道で、日本にかかわるニュースがほぼ毎日掲載されている。その報道は、客観性・真実性・全面性を備えたものだ。ニュースの分野は、政治・外交・軍事・経済・科学技術・文化などの各方面をカバーし、報道対象は、日本政府の政策の紹介もあれば、平和を愛する日本の一般民衆の戦争反対の努力を取り上げることもある。また私たちの報道は開放的で、外国に学ぶべきことがあればそれも積極的に伝えており、日本は重要な参考となる対象の一つだ。だが日本の大手メディアは欧米に学ぶことを強調することが多く、中国の関連経験に触れることはあまりない。また日本メディアは、中国の外交活動を報道する際、その目的を習慣的に『日本への対抗』と決めつけて報道するケースが多く見られる。平和・発展・協力・ウィンウィンが主流となった21世紀に、冷戦期のゼロサム思考に基づいた20世紀型の報道にとどまっていたのでは、『中日間の相互尊重』を望むことはできず、日本人の中国理解も客観性・真実性・全面性を伴ったものにはならない」と指摘した。
また「中日両国の世論の相違は確固として存在しており、両国のメディア人はこれを取り除くためにともに努力しなければならない。中日が友好関係にあることは大局の求めることであり、人々にとっての、アジアにとっての、世界にとっての幸せである。両国のメディア人はその実現に譲ることのできない責任を持っている」と述べた。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年9月29日