今年の国連総会のテーマには少なからず混乱があった。それぞれの国が自らの利益と最も関係のある議題を国連に持ち出し、支援を取り付けようとした。香港地区「大公報」に掲載された記事によると、日本の安倍首相は、サミットの様々な焦点にはあまり興味を示さず、米国に赴いて国連総会に参加した中心的な任務を「常任理事国入り」と心得ていたようだ。だが現在の状況では、日本の「常任理事国入り」は一人相撲となり、最後は「黄粱の夢」と散りそうだ。記事の主な内容は次の通り。
安倍首相は日本の「常任理事国入り」に奔走してきた。就任から現在までに安倍首相は49カ国を駆け巡ったが、これは歴任の首相のうちでも例がないし、今後もこれほど頻繁な外遊はないと思われる。国連総会の舞台では、安倍首相は、熱のこもったパフォーマンスを行い、その「積極的平和主義」の売り込みを続け、多くの国家元首と二国間会談を行い、日本の「常任理事国入り」に票を取り付けようとした。米コロンビア大学でもスピーチし、日米同盟の強化を主張した。
安倍首相はニューヨークに出発する前、国連改革の「野心」をはっきりと表明していた。安倍首相によると、国連は来年、設立70周年を迎えるが、その加盟国は増加し、世界にも巨大な変化が起こった。国連は21世紀の状況に適合する必要があり、日本はその改革をリードする役割を発揮することができるというのだ。その言葉や仕草からは、国や民を憂い、世界を救おうという覇気さえ感じられる。日本が9年前に「常任理事国入り」に失敗した雪辱を晴らそうという姿にも見える。
安倍首相の楽観は、状況に対する誤った判断による。国連設立60周年の2005年にも日本は「常任理事国入り」を目論んだが、多くの核心的問題に答えることを避ける一方、その動機・目的・手段はごまかしに満ちたもので、多くの国を欺くものだった。最近の安倍首相は建前をかなぐり捨て、日本の軍国主義の獰猛な顔を見せつつある。その「常任理事国入り」の難度と抵抗は前回よりも大きなものとなる。
日本の「常任理事国入り」の最大の障害は自らにある。日本のここ十年来の政策動向を振り返ると、とりわけ安倍首相が就任してからの行動を見ると、日本の軍国主義が灰の中から復活し、急速に拡大し始めているのがわかる。日本は侵略を否定し、戦後体制を認めず、集団的自衛権を解禁し、平和憲法を打ち破ろうとしている。これが安倍首相の崇める「積極的平和主義」の実態である。人々はこう問わざるを得ないだろう。自らの過去に責任を持とうとしない国家に、世界の未来に責任を持つ資格があるのだろうかと。