経済産業省が10月29日に発表した9月の鉱工業生産指数(季節調整済み)速報値は、前月比2.7%上昇の97.8となり、市場の2.2%の予想を上回った。経済産業省は、「総じて見れば、一進一退にある」に判断を調整した。これは8月の「持続的な疲弊状態」から改善されたことになる。
これは最近低迷が続く日本経済のデータのうち、最も輝かしい数値だ。今年第2四半期の経済成長率は年率換算でマイナス7.1%となり、2009年第1四半期ぶりの下げ幅を記録していた。4−9月の貿易収支は5兆4271億円の赤字で、比較できる1979年度以降で最大だった。
4月1日の消費増税が日本経済にもたらした衝撃は、日本政府の予想を上回った。特に第2四半期の経済成長データが公表されると、来年10月に10%へ増税する計画が疑問視された。一部の政府高官も、日本経済が再度の増税に耐えられるかについて、懸念を示したほどだ。関係者は、第3四半期の経済データが、期限通りの増税の判断材料になると予想していた。今回の鉱工業生産指数は、政府の決定の基礎を固めたように見える。
しかしこの経済データは、安倍晋三首相と政権を安心させるだろうか?その答えは、おそらく「ノー」だ。
小渕優子前経済産業相は10月20日、公的資金の私的流用と政治資金規正法違反により辞任した。松島みどり前法務相は、有権者への価値ある品物の配布を禁じた公職選挙法に違反した疑いで、同日辞任した。小渕氏に代わり就任した宮沢洋一氏は、さらに厄介な問題に巻き込まれている。宮沢氏の政治資金管理団体が、性虐待をテーマとするSMバーでの消費を、政治活動費と記載していたのだ。宮沢氏本人も、福島原発の運営者である東京電力の株式を保有していた。宮沢氏が代表を務めていた政党支部は、外国人が過半数の株式を保有する企業から献金を受けていた。
相次ぐスキャンダルにより、安倍内閣の支持率が急激に低下している。最近の世論調査の結果によると、安倍内閣の支持率は5割以下になっている。さらにまずいことに、このようなケースには前例がある。安倍首相が2006年に初就任すると、複数の閣僚の資金問題が発覚した。これらのスキャンダルとその他の影響により、安倍首相は2007年9月に退陣した。これと同じような状況が生じている現在、安倍首相が無事に任期を終えられるか否か、疑問を抱かざるをえない。
経済と政治の二重の圧力を受け、安倍首相は気を抜けない状況に追い込まれている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年11月3日