(3)4つの原則的共通認識はなぜ、政治・外交・安全対話を「一歩ずつ再開させる」としているのか
▽解説者:楊伯江(中国社会科学院日本研究所副所長)
中日両国の対話がいかなる原因や影響によって中断したかという背景は振り返るに値する。日本側がまず「島の購入」という行動を一方的に取り、さらに日本の首脳が靖国神社参拝という行動に出たことで、中日双方の対話は中断された。両国関係を回復しようと言ったところですぐに実現することはできないし、日本側の出方にも左右される。様子を見ながら進め、進めながら様子を見、評価をしながら次の行動を進めていかなければならない。中日関係はもともと複雑で、両国は相互に依存すると同時に、根深い矛盾を抱えている。すぐに解決できる問題ではない。
(4)4つの原則的共通認識の形成に続く次の一歩として、双方はどのような行動を取るべきか
▽解説者:曲星(中国国際問題研究院院長)
共通認識達成後は、いかにそれを尊重するかということが根幹となる。国交正常化40年余りの中で、中日両国は関係発展において幾度となく波風を越えてきた。波風の原因は常に、中日両国の国交正常化における基本原則に日本側が背いたことにあった。波風が立つと、双方はいずれも、一連の駆け引き、さらには闘争を繰り広げ、解決を実現してきた。互いに了解した解決案が守られれば、両国関係は前進し続けることができるが、どちらかが問題を蒸し返せば、両国関係には大きなトラブルがもたらされることになる。そのため4つの共通認識を遵守し、これを行動に移すことができるか否かが鍵となる。もちろん今回の共通認識で使われた言葉はどれも間接的なニュアンスが強く、最も敏感な若干の問題についてはっきりと直接的な表現を取っていない。この事実は何を意味しているか。両国関係の発展や歴史的に残されてきた問題の解決は、ゆっくりとした長期的な過程となる可能性が高く、すぐに解決することはできないということである。
冷戦を通じて、侵略戦争の歴史に対する日本社会の認識には事実上、(中国との)大きな違いがある。さらに歴史的な原因から、戦後処理の問題を扱ったサンフランシスコ会議に中国は出席せず、釣魚島は米国の管轄下に置かれた。米国はこれを日本に引き渡したため、日本の庶民の多くが、(釣魚島は)日本のものだというイメージを抱いている。そのため双方関係の回復はゆっくりとした過程とならざるを得ない。だが今回重要なのは、矛盾をコントロールするという共通認識が形成されたことだ。矛盾が存在し、それを今すぐに解決することができなくても、少なくともこれを悪化させ続けてはならないという立場が共有されたことは非常に重要だ。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年11月9日