アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の会期中の11月10日、習近平国家主席は人民大会堂で、求めに応じて安倍晋三首相と会談した。中日首脳会談が開かれるのは2年ぶり。両国は事前に、中日関係の処理・改善に関する四つの原則的共通認識をまとめていた。
両国首脳がAPEC北京会議を契機に会談を実現し、近年低迷していた中日関係に緩和の兆しが見えてきた。中国の首脳が安倍首相と会談したのは、両国国民の根本的な利益、アジア太平洋の平和・安定・発展の大局を見据えてのことだった。
当然ながら、首脳会談の実現によって、雨模様の中日関係に直ちに晴れ間がさすわけではない。凍ってしまった氷を溶かすのは容易ではなく、中日関係には消極的な要素が長期的に存在している。これは、いつでも悪影響を及ぼしうる。約束通り合意事項を守る安倍政権の誠意についても、今後の事実によって判断しなければならない。ゆえに脆弱な両国関係を安定化させ、全面的に好転させるためには、長期的な苦しい努力が必要だ。特に日本政府は実質的な行動により、この得難い契機を惜しむ姿勢を示さなければならない。
世界2位・3位の経済体、引っ越すことのできない一衣帯水の隣国である中日が危機管理メカニズムを構築し、両国関係を健全で安定的な方向に発展させるよう共に尽力することは、両国・アジア太平洋・世界の平和と安定と発展に重大な利益をもたらす。また周辺地域の安全・協力環境を改善し、アジア太平洋の繁栄の活力を引き出すことも可能だ。これは両国国民の根本的な利益、国際社会の普遍的な期待に沿っている。まさに一石「多」鳥だ。
問題は、それをこしらえた側が解決しなければならない。中日関係には近年深刻な問題が生じているが、その是非曲直は周知の通りだ。領土問題にせよ歴史問題にせよ、責任はすべて日本側にある。特に歴史問題を避けることは許されず、避けることも不可能だ。日本政府が健全で安定的な中日関係を構築しようと心から願っているならば、歴史を鏡とし、約束を守り、中国国民の感情を損ねることを止めるべきだ。歴史を正視してこそ、未来を見据えることができる。
現代中国は、平和的発展とウィンウィンの関係を求めている。習主席が9日のAPEC・CEOサミットの開幕式で、「同じ志を持てばパートナーだが、相異点を保留していてもパートナーだ」と指摘した通りだ。国と国の関係を処理するに当たり、中国は「味方でなければ敵」という発想には陥らず、和して同ぜずの理念を貫き、アジア太平洋諸国と共にアジア太平洋の世紀を切り開き、アジア太平洋の夢を創造・実現するため尽力する。
これは大国・中国の大らかな胸襟と気概であり、中国の首脳の大きな戦略と知恵でもある。アジア太平洋の発展は、今日の決断と行動にかかっている。中日関係の改善と好転は、そのために全うしなければならない責任だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年11月13日