(五)日本経済の発展の需要。中日関係の冷え込みは、日本経済の利益を損ねている。日本の今年1−9月の対中直接投資額は、前年同期比で4割以上減少し33億9000万ドルとなった。アベノミクスで景気回復を目指している日本は、隣国の中国という世界2位のエコノミーを必要としている。
(六)日本国内の一部の政治団体、経済団体、政党、重要な政界の人物は、安倍首相と異なる主張と要求を持っている。彼らは安倍首相に圧力をかけ、安倍政権が中国と積極的に対話し、意思疎通することを願っている。
安倍首相が中日首脳会談の実現にこぎつけられたのは、時期と運が良かったためでもある。安倍首相もこのチャンスを逃さなかった。中国の王毅外相は10月29日午後、第10回藍庁フォーラムに出席した際に、「中国はホスト国だ。中国には、来る者はみな客という習慣がある。我々はすべての客に対して、ホスト国として必要な礼儀を尽くす」と発言した。これは安倍首相に、「希望の光」をわずかに感じさせたはずだ。
中日首脳会談の実現には、当然ながらより重要な政治的基礎があった。楊潔チ(竹かんむり+褫のつくり)国務委員は11月7日に釣魚台国賓館で、谷内正太郎国家安全保障局長と会談し、中日関係の処理・改善を巡る「4つの合意事項」を取りまとめた。中日友好の大局を前にして、安倍首相は最終的に妥協し、一定の前提条件を踏まえた上で会談を申し込むことになった。
しかし冷え込んだ中日関係の雰囲気の中、今回は熱を帯びない、日本側の求めに応じた会談となった。中韓首脳会談、中露首脳会談、中米首脳会談のような統一的な計画があり、両国関係を深く掘り下げる首脳会談と異なり、今回は儀礼的な「特例」のようだった。
中日首脳会談は、中日双方が2年余りの意思疎通を通じて形成した4つの合意事項を踏まえ、中日関係の改善に向け一歩踏み出した。これは双方が歩み寄りを続けようとする重要な合図ではあるが、複雑かつ緊張化した中日関係が一気に完全に改善されることはない。これには注意が必要だ。中日間には未解決の多くの問題があり、政治的信頼関係も完全構築には遠く及ばない。変わりやすい安倍政権に対して、中国は常に警戒しなければならない。
中日両国が関係改善の道をどれほど歩み続けられるかについては、日本の態度を見なければならない。言葉を聞き、その行いを見る。これは今後も中国の日本に対する基本的な姿勢になる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年11月14日