安倍晋三首相は11月18日夜、記者会見で3つの重要な決定を発表した。(1)次の消費増税を18ヶ月間先送りする(2)3兆円規模の景気刺激策の準備をする(3)任期満了前に衆議院の解散総選挙を行う。アベノミクスが選挙で否定されれば、首相は辞任することになる。
アベノミクスは就任当初に自信満々に発表されたが、今や虫の息となっている。まだ完全な失敗が宣告されたわけではないが、今回打ち出した政策が依然として日本経済を「復活」させなければ、失敗を宣告されるしかない。アベノミクスと共に失敗に終わるのは、安倍首相の政治生命だ。
アベノミクスは当初より物議をかもしていた。海外は、アベノミクスが他国、特に隣国に悪影響をおよぼすと指摘した。アベノミクスの中心的な内容が、市場への水の注入だからだ。当然ながらこの手段は日本経済をすぐに回復させることができ、海外から強い圧力を受けたとしても、国民は安倍政権を支持・支援するだろう。問題は、市場に十分に水が注入されたにも関わらず、日本経済の火が依然として消えていないことだ。
それに、国民の信頼と支持だけでは不十分だ。量的緩和策の継続により市場に水を注入することは、安倍首相が自らを救う最後の手になった。3兆円規模の景気刺激策は、安倍首相の狂った賭けになる。これに勝てば、安倍首相はこの玉座を維持できる。これに負ければ玉座に別れを告げることになる。アベノミクスは、日本経済史に記録される失敗例になるだろう。
安倍首相の景気刺激策は、他国にも大きな圧力を形成している。中国を含む周辺諸国が直面する圧力が、さらに拡大することになる。度重なる景気刺激策により、日本はすでに物価上昇の要素を消化する能力を失っている。日本は物価上昇の圧力、紙幣印刷の圧力を外に移さなければならない。
中国と日本の経済・貿易関係は現在冷え込んでおり、日本経済の改善に大きな力を発揮することはない。中国との経済・貿易協力、中国市場の支援がなければ、日本経済が受ける影響は大きくなる。それよりも、自国の力に頼らざるを得なくなるだろう。しかし日本にはもとより経済問題の影響が存在しており、また日本経済、特に企業の回復を困難にする高齢化という重要な問題もある。日本の多くの中小企業は労働力問題から強い圧力を受けており、大きな課題に直面している。この問題の解決も、安倍首相の頭痛の種だ。
アベノミクスはすでに死活に関わる重要な時期を迎えている。生き続けるか、息絶えるかは、この最後の手を見なければならない。安倍首相は脅迫じみた手段により、有権者にアベノミクスを受け入れるよう強いているが、これも大きなリスクを冒している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年11月21日