日本四国の山奥に位置する名頃地区はかつて人口が多く賑やかだったが、近年は人口減少が進んでいる。ここの人が亡くなるか土地を離れた場合、村のおばあさんがかかしを作りその代わりにし、村の「活気」を維持している。この村には35人の村民しか残されていないが、350体以上のさまざまな形をした、本物さながらのかかしは、村に奇妙な彩りを添えている。
英国メディアの報道によると、このかかしは村で最年少の綾野月見(65)さんが作っている。綾野さんは11年前に帰郷し、村から人の姿が消えたことに気づいた。見慣れた故郷はかつての賑わいを失い、まさに「人跡未踏の地」になっていた。
綾野さんは自分の努力により、かかしという新鮮な血液を村に注ぎ込もうとした。ベンチ、街道、綾野さんの家の中に、これらのかかしの姿がある。かかしはまた、畑で「農作業」をし、使われていない学校のグラウンドを「散歩」している。かかしは村のあちこちにいる。綾野さんは約10年をかけて、約350体の等身大のかかしを作った。そのいずれもが、かつてここに住んでいた人を示している。
この奇妙な出来事は、日本社会で普遍化する問題を浮き彫りにした。高齢化が進み、人口が1万人を超えていた町や村から人の姿が消えている。がらんとした村の中には、今にも倒れそうな家屋、老朽化が進んだインフラしかない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年12月10日