「日本大使賞」受賞者と木寺大使、主催者の記念写真。日本僑報社提供
木寺大使らと一等賞受賞者の記念写真。日本僑報社提供
受賞者と来賓の記念写真。日本僑報社提供
日本僑報社日中交流研究所主催の「第10回中国人の日本語作文コンクール」の表彰式と日本語スピーチ大会が12月12日(金)午後、北京の日本大使館で、関係者ら約150人が出席して開かれた。
表彰式共催:日本大使館、コンクール協賛:株式会社ドンキホーテホールディングス、朝日新聞社、東芝国際交流財団。コンクール後援:日本国外務省、文化庁、中国日本商会ほか。
中国で日本語を学ぶ学生を対象に2005年にスタートしたこのコンクール。節目の10回を迎えた今回は、日本のアニメ コミックゲーム(ACG)への思いを書く「ACGと私」、社会生活でのマナーについて考える「公共マナーと中国人」の2つをテーマにした。
日中関係が依然難しい時期にあるにもかかわらず、中国各地から過去最多となる196校、4133点の応募があり、中国の若者たちの日本への関心の高さが示された。
審査の結果、日本大使賞など計156人(作品)が入賞し、東華大学(上海)の姚儷瑾(ようれいきん)さんの「ACGと日中関係」が最優秀賞の日本大使賞に選ばれた。
表彰式で、木寺昌人大使は今年10周年を迎えたコンクールに対し、「今や日本語を学ぶ中国人学生にとって参加することが大きな目標となるほどの大会に発展した」と高く評価。その上で「安定した日中関係に大切なのは、若い世代が様々な交流を通じて感動を共有すること。今後ますます、同世代の日本の若者との交流の機会を作り、たくさんの感動を共有してほしい」などと日本語を学ぶ学生たちを激励した。
日本大使賞の授与式では、ACGを通じた新たな文化交流の可能性について訴えた姚儷瑾さんに木寺大使から賞状と賞品が贈られたほか、「日本1週間招待」の特典が与えられた。
姚さんは作文を暗記してスピーチし、アニメなど文化を通した交流に日中双方の「誤解を解く力が秘められている」とした上で、「好きなACGについて話し合いながら、相手国の姿を確認し合うのは、新たな文化交流の形になるかもしれない」などと力強くアピールした。
続いて入賞の1等賞(5人)、2等賞(15人)、3等賞(40人)受賞者のほか、「園丁賞」受賞校(応募計196校のうち、作文50点以上を応募した大学38校)が発表され、この日出席した受賞者(校)に賞状と賞品が授与された。
受賞者代表のスピーチでは、1等賞受賞者のうち張玥さん(重慶師範大学)、汪婷さん(南京農業大学)、向穎さん(西安交通大学外国語学院)、陳謙さん(山東財経大学)の4人が登壇。
「公共マナーと中国人」との題で、中国にいる日本語教師の率直な提言が、中国人の公共マナーや自分のあり方を見直すきっかけになったと話した汪婷さんら、それぞれが受賞作を力強く訴えた。
来賓挨拶に続いて、日中交流研究所の段躍中所長(日本僑報社編集長)がコンクール10年の歩みを、これまでの記録写真を交えて報告。
(1)「日本ファンを育てること」、(2)「日中の絆」や「アジアの絆」、さらには「世界の絆」の礎を作ること――などを目的にスタートしたコンクールには、この10年で約300の大学から2万3232人の応募があり、うち受賞者が958人に上った。
こうした実績により、コンクールは「中国で日本語を学ぶ学生の間では、最も権威のある日本語作文コンクール」「日中交流の貴重なプラットフォーム」として定着してきた。
さらに、コンクールの入選作品をまとめた「受賞作品集」をこれまでに10冊刊行(いずれも日本僑報社刊)。約600点の優れた作文を掲載し、多くのマスメディアやネットメディアに報道されたほか、読者から中国人学生の努力を評価する大きな反響があったことなどが紹介された。http://duan.jp/jp/index.htm
コンクールの今後の課題としては、「受賞作品集をさらに普及させるため広報に力を入れる」「日本語教師を表彰し、中国から帰国した日本語教師のネットワークを作る」などが明らかにされた。
段躍中所長は10年にわたる各界からの支援に感謝の意を述べるとともに、「日本語学習を通じて日本への理解を深めた学生たちを、これからも応援していただきたい」と、コンクールへの一層の理解と支援を呼びかけた。
続いて、来年の第11回コンクールのテーマが発表された。テーマは3つあり、(1)日中青年交流について(戦後70年に両国の青年交流を考える)、(2)「なんでそうなるの?」(中国の若者は日本のここが理解できない)、(3)わたしの先生はすごい(第1回日本語教師「総選挙」in 中国)。
応募期間は2015年5月11日~31日。主催者側から「多くの皆さんに参加いただきたい」との呼びかけがあった。
この後、記念撮影が行われ、受賞者たちは晴れやかな笑顔を見せるとともに「受賞を励みに、これからも一生懸命、日本語を学びます」「また応募したい」などと新たな抱負を語っていた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年12月17日