衆院選に勝利した安倍晋三首相は、長期政権運営を目指し、自民党総裁の任期を2期から3期に延長する準備を進めている。5日付のシンガポール華字紙『聯合早報』が伝えた。
報道によると、安倍首相は東京が夏季五輪を開催する2020年にも、首相の玉座に座っている可能性がある。メディアはまた、安倍首相が長期政権運営を目指すのは、改憲の願いを叶えるためだと推測している。
自民党内の規定によると、総裁の任期は最長でも2期・6年だ。
言い換えるならば、安倍首相は今年9月に続投を決めたとしても、最長で2018年までしか総裁を続けられない。安倍首相と党内の側近は、より長い政権運営を目指すため、3期・9年に改めることを提案している。これによりその任期を、2021年まで延長しようというのだ。
これまで任期を例外的に延長したことのある首相は、小泉純一郎氏と中曽根康弘氏だ。小泉氏は当時「郵政民営化」により、自民党の圧勝を実現し、任期を1年延長した。中曽根氏も古い規定を破り、1年延長したことがある。
安倍首相の側近はこの延長戦略の地ならしをするため、「党は首相の任期を延長し、長期的に政権運営できる強い首相のイメージを樹立する必要がある」と発言した。
側近らは2020年東京五輪を理由に、「安倍首相は五輪招致成功に大きく貢献したのだから、開催時に首相であるのは当然だ」としている。
安倍首相は自民党内最大の派閥である町村派に所属し、総裁の任期延長については早くから検討していた。町村派の町村孝信前会長は、「政策を推進するためには、首相を頻繁に交代してはならない」と批判していた。
町村氏は、「日本のすべての自治体の任期は4年で、4回延長できる。長期的に政権を握って、初めて政策を推進する十分な時間を手にし、日本国民の政治に対する期待に応えることができる。我々は古いしきたりを破り、自民党総裁の任期を延長するべきだ」と述べた。
しかし党内では、誰もが安倍首相の長期政権運営に賛成しているわけではない。谷垣禎一幹事長と二階俊博総務会長は、長期政権運営は党内の競争力に影響し、後継者を育成しにくくなると考えている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年1月5日