フィリピンメディアは1月8日に国防筋の話として、中国の南中国海における2本目の滑走路が、年末までに竣工する可能性があると報じた。フィリピン軍トップのグレゴリオ・カタパン参謀総長は、中国の永暑礁における埋め立て作業はすでに約半分を完了しており、滑走路はこの島嶼に建設される可能性が高いと述べた。日本の英字誌『ザ・ディプロマット』が伝えた。
昨年11月の衛星写真を見ると、中国の浚渫船が8月より永暑礁で埋め立て作業を開始し、3キロの滑走路を建設できる陸地を作ろうとしていた。これは中国の西沙諸島・永興島の滑走路に続く、南中国海で2本目の滑走路になる。これらの最新の報道によると、中国の埋め立て作業と滑走路建設はすでに長期的に展開されている。これらの活動、2本の滑走路という現実は、中国の南中国海における地位を大幅に高める。
中国の南中国海における行動は独立した出来事ではなく、よりマクロな戦略の一環だ。これには海域の現状を変え、中国に有利な方向に変える狙いがある。華陽礁、南薫岩礁、鬼喊礁などの複数の島嶼で続ける埋め立て作業と同じく、中国が永暑礁などの多くの島嶼で取り組んでいる面積拡張は、より広い領有権の主張に向けた法的根拠を強化する。
埋め立てによって地位を高める他に、永暑礁に1本の滑走路を持つことで、中国の輸送力が大幅に強化される。中国の戦闘機は南沙諸島の滑走路から、スピーディーかつ頻繁に南中国海の最南端に到達できるようになる。中国はこれにより、領有権を主張する領土の上空で巡航を強化し、周辺海域の船舶により力強い防御を提供できるようになる。
南中国海にもう1本の滑走路を持つことで、中国は南中国海の防空識別圏の設定に向け一歩進んだ可能性がある。中国が一昨年に東中国海の防空識別圏を設定してから、多くの人は中国が南中国海の防空識別圏を発表する時期を推測している。一歩ずつ着実に前進する戦略により、南中国海で軍事力を緩慢に強化する中、中国は次のような現実を徐々に形成するかもしれない。これは宣言こそはしないが、このような防空識別圏を管理する実力をすでに持っているという現実だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年1月12日