16日午後、日本華人教授会議で講演する胡鞍鋼氏。段躍中撮影
日本僑報社の話題書『中国のグリーン・ニューディール』の著者で、中国の政策科学・経済学の第一人者である胡鞍鋼氏(清華大学教授・国情研究センター長)がこのほど訪日し、中日両国各界の人々と幅広く交流した。
胡氏の訪日は、公益財団法人日本生態系協会(池谷奉文会長)が主催し、1月15日に都内で開かれた国際フォーラム「かわっていく大都市―東京・北京・ニューヨーク―」に出席するため招かれたもの。
同協会は、エコロジー活動と経済成長を両立させる「グリーン・ニューディール」の中国的実践である「緑色発展」戦略を、わかりやすく解き明かした『中国のグリーン・ニューディール』を高く評価。その国際フォーラムに初めて、中国人学者を招聘した。
同フォーラムでは、世界の国々が現在取り組む「気候変動対策」と「生物多様性の保全再生」などの最新動向を知り、その上で持続可能なくにづくりを見据えたこれからの都市のあり方を提案。北京、ニューヨーク、東京の各市から、環境・都市政策のブレーンが講演者として出席した。
中国では今、習近平国家主席のもと、持続可能なくにづくりを目指す「緑色発展」に力を入れており、胡氏は習近平政権の政策ブレーンとして、この緑色発展を牽引している。
「緑色現代化巨大都市 北京」と題した講演で胡氏は、中国の緑色発展について「それは、従来の経済・政治・文化・社会に、生態系の保護を加えた、五位一体で取り組まれている」などと紹介。その上で「首都北京でも、国の動きに歩調を合わせて、緑色現代化都市の構築が進んでいる」として、緑化や大気汚染の改善を目指した北京の環境対策などを解説し、出席者たちの高い関心を集めた。
翌16日午前、胡氏は東京・永田町の衆議院第一議員会館で、中国の環境政策などに関心を持つ国会議員らと交流。近藤昭一・元環境大臣は『中国のグリーン・ニューディール』における胡氏の鋭い分析に、関心を寄せていた。