過激派組織「イスラム国」は、23日午後まで身代金が支払われなければ、拉致した日本人の人質を殺害すると予告した。しかし日本政府は22日現在、同組織との連絡ルートを把握していない。イスラム国と密接な関係をもつシリアの反対派によると、2人の人質はシリアとイラクの国境地帯に拘束されているという。
菅義偉官房長官は22日、「明日(23日)午後2時50分が期限だ。現在まで安否については確認できていない。政府は人質の早期解放に向けて最大限努力しており、中東に高官を派遣している。宗教の代表者などのルートを通じて、早期解放のメッセージを発信している」と述べた。
日本政府は交渉の焦点を、中東のヨルダンに絞っている。ヨルダンの首都アンマン入りした中山泰秀外務副大臣は21日夜、アブドラ国王と対談した。ヨルダンは日本に支援を提供することを約束した。
訪英中の岸田文雄外相は21日夜、イランのザリーフ外相と電話会談を行った。日本はイランに情報収集および人質解放の支援を求めている。ザリーフ外相も日本に対して、「全力で協力する」と表明した。
日本政府の他に、イスラム国と接触したことのある2人の日本人(イスラム法学教授の中田考氏、中東ジャーナリストの常岡浩介氏)が、中東を訪問し「交渉者」になると名乗りを上げている。2人はイスラム国の拠点である、シリア北部の都市ラッカに行き、日本政府に協力しイスラム国と交渉すると表明した。
2人は昨日メディアに対して、人質の一人である湯川遥菜さんが昨年8月に拘束されてから、イスラム国が2人に対して現地で交渉するよう伝えていたことを明らかにした。しかしその後現地の情勢が悪化し、人質と会うことはできなかったという。
しかし日本がどのような手段によって交渉するかについて、日本の高官は明らかにしていない。外務省の斎木昭隆事務次官は22日、「テロ対策について、日本は国際社会と共に協力していく」と繰り返した。
安倍晋三首相は22日に、英国のキャメロン首相、オーストラリアのアボット首相と電話会談し、両国に人質事件の情報収集などの協力を要請した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年1月23日