戦後70周年は、日本が隣国の理解と信頼を勝ち取る最後のチャンスである。日本の過去数十年の「侵略」「反省」などに対する態度は二転三転しており、すでに隣国の寛容と我慢の限界に達しようとしているからだ。
安倍首相は天皇・皇太子の発言を十分に理解する必要がある。安倍首相は談話の中で、「これまでの文言をそのまま使用することにはこだわらない」としているが、それならば歴史問題でより鮮明な態度を示し、突破と超越を目指すべきだ。
昨年12月に開かれた南京大虐殺犠牲者国家追悼式典において、習近平国家主席は、「われわれが南京大虐殺犠牲者のために追悼式を行うのは、すべての善良な人々の平和へのあこがれと平和を守る気持ちを呼び起こすためであって、恨みを続けるためではない。中日両国人民は代々友好を続け、歴史を鑑とし未来に向かい、共に人類の平和に向け貢献するべきだ」と述べた。
これは非常に重要かつ積極的な合図であり、安倍首相は真剣に理解しなければならない。中国の新時代における対日政策の目標と動向を正確に判断することは、安倍首相が戦後70周年の談話の内容を正確に決定する一助になる。
中日の和解は、中国にとっても越えるべき戦略的ハードルだ。一部メディアは、中国が反ファシズム戦争勝利70周年の閲兵式を実施するのは、主に「日本をおびえさせるため」だと報じているが、これは偏狭な観点だ。
現代文明を発展・延長させる上で肝腎要になるのは、反省と和解の能力だ。強国の真に貴い気品は、強権的な手段により相手を屈服させることではなく、和解の力で隣国に働きかけることにある。日本と中国は戦後70周年という歴史から与えられた最後の、あっという間に消えてしまうチャンスを掴むことができるだろうか?安倍首相は、これに先に回答する必要がある。
長期的に見ると、中日関係は「囚われの境遇」から脱却するべきだ。これは双方が念入りに計算し理性的に考慮しながら、それぞれ悪い結果を受け入れるという悲惨な運命のことだ。(文=暁岸)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年3月2日