先般開催されたパリ卓球大会で中国勢は当初の予想どおり、男子、女子シングルスで好戦績を示した。一部の人たちの間では、混合ダブルスや男子ダブルスのカップを逃したのは残念だ、という見方もあるが、卓球界の主だった人たちの話では、リオ・オリンピックを視界にとらえてシングルスに力を入れ、ダブルスは若手新人に国際試合の経験を積ませることにしたらしい。
また、今回はパリで、中国が構想している国際卓球学院の分校と国際卓球トレーニング・キャンプの設立をめぐってさらに進捗が見られたことも大きな収穫だと言える。ヨーロッパの一部の国では、中国の卓球トレーニング法が注目されており、できればそういうシステムの中でトレーニングを体験してみたい、という人もかなりおり、このプロジェクトはそのうちに現実化すると見られている。
しかし、これは中国にとって手ごわい競争相手を育てることになるのではないか、という人もいる。中国卓球界の権威ある人たちは、世界の卓球のレベルアップによって、中国はさらに伸びることになる、というプラス思考をしている。こういう学校あるいはキャンプをつくることは、世界のスポーツ界にとっては新たな試みと言える。