今の若者たちは、Eビジネスを利用して書籍を購入しており、かなりの割引があるので、わざわざ書店に出かけていくこともあるまい。また、ネットを通じていろいろなデータを入手できるので、旧来の形での書店はだんだんと存在価値を失っていくのは必至であり、「惜別」の念を抱いても消え去るものは消えてなくなるのみであろう。
理想的な考えの持ち主たちは、文化というものを大切にする角度から北京に書店街のようなものを作ってはどうかと提言しているが、これはあくまで理想論である。
数年前まで北京の繁華街の裏通りに、老舗の古本屋があった。私はときどきそのお店で「掘り出し物」の文庫本を発見して、飛び上がらんばかりに喜んだことを覚えているが、最近、この古本屋をのぞいてみたところ、もう廃業の用意をしていた。そりゃそうだろう。わずかな利益であの広い店構え、人件費を維持することは不可能だからである。