林国本
なが年、週刊誌に勤務し、第一線から引退してからも、いろいろジャーナリズムの世界でお手伝いしているが、第一線にいた頃は次から次にと仕事がまわってきて、踏みとどまるヒマもなく突き進んできたが、第一線から退いてからは、限りなくフリーランサーに近い形で、ジャーナリズムの一角で楽しんでいるが、最近、自分の関心する分野をもうすこし広げてみようと思い、CCTV(中央テレビ)の「海峡両岸」番組の視聴者になり、この番組を見ることによって、私は中国がますます開放的になっていることを実感している。
現在、海峡両岸の平和的発展ということがよく語られているが、これまで私はうかつにも、これはその分野の仕事をしている人たちのことであり、私のような「門外漢」が関心を示す事柄ではないと思い、友人でそういう仕事をしている人と会食したりした時も、エチケットとしてそういう話題は避けていた。ところが、この番組を見ることによって、俄然このテーマが非常に身近なものとなった。
例えば、今台湾内部で行われている「野党」のトップの選挙戦も、台湾側の学者の映像が出てきて、立候補者たちの選挙戦術や票読みまであり、また、台湾の経済事情、文化社会などいろんなことも報道され、私にとっては「本職」以外の知識を吸収する格好の楽しみの1つになっている。
しかし、こし方を振り返ってみると、前世紀の80年代に、私が東京オリンピックの記録映画の解説と同時通訳を依頼された時などは、トーチリレーが台北を通過する映像が出てくる個所はボール紙で塞ぐようにと言われたことを思い起こしてみると、中国もずいぶん進歩したなあ、と思っている。
中国で甲午戦争、日本で「日清戦争」といわれている出来事で割譲されてから、ずっと離ればなれになっていた台湾。私の同窓の中にも台湾籍の人たちがいるが、この人たちの故郷への思いもよく知っており、両岸関係の平和的発展という新たな動きにも関心を持ってはいたが、これからはこういうテーマについても、本職以外の勉強としていきたいと思っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月16日