北京のメディアでは、諸外国における渋滞対策を取り上げて、打開策を提案しており、有識者たちもテレビで一家言を開陳している。北京では地下鉄の建設もどんどん進んでいるが、今のところ交通渋滞とイタチごっこで、実効は顕在化していない。経済発展のスポットとして自動車産業はどんどん発展している。北京の夕刊などをみると、クルマの広告でいっぱいだ。
モータリゼーションはまだまだ続くことはまちがいない。私も流行の先端を行くタイプの人間らしいので、もう少し若ければマイカー族の仲間入りをしていたにちがいない。だから、私はマイカー族にずっと同情的だったが、いまの渋滞状況を見ていると、やはり近代大都市へ向かおうとしている北京の将来を懸念しないわけにはいかない。副都心を作って人口を少し分散させる説や、奇数ナンバー、偶数ナンバーの走行許可とかいった案が打ち出されているが、決定的な案はまだ見つかっていないようだ。
一家でクルマを2台持っている家庭も増えつつあるし、新しい自動車メーカーの工場の新設も報じられている昨今のこと、この「大都市病」と言ってもよい「症状」に対する決定的な対策は、ということを考えている昨今である。