中国が第12次五カ年計画でさらに前進、発展することは間違いない。また、いろいろな未解決の課題に直面することも否定するつもりはない。この囲碁の局面をどう読むか、それこそ政治家の見識が試されることになろう。
私は1989年当時、特派員として日本に長期滞在していたが、とにかく「中国は崩壊する」という論調でいっぱいだった。私は1921年以来の歴史を振り返り、そのいうことはありえないと見ていた。あれから20年経った今、北京オリンピック、上海万博という「通過儀礼」を悠々と乗り切った中国はもっと前進するに違いない。『朝日新聞』に掲載された日本の一総合商社の中国市場開拓の戦略的な読みを見るとともに、最近の諸外国の首脳の北京訪問を見ながら、ひところ前より影が薄くなった日本のプレゼンスについて考え、この一文を著わした。私のジャーナリスト仲間と話し合っている時、いつも日本の政治家はなぜ読みが浅いのか、ということが話題になっているが、これを「島国的思考」と言ってしまえば差別発言になるかも知れないが、とにかく事あるごとに盤面をどう読むかということは、大事なことだと思っている。それやこれやとの関連で今回の日本の企業とロシア、中国の企業のロシアにおける大型開発プロジェクト実施の調印は、よい落としどころとも受け止められなくはない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月13日