国連創設70周年に当たる今年、国連改革とりわけ安保理改革が再び注目を集めている。日本・インド・ドイツ・ブラジルからなる「G4諸国」はこのほど、国連会議で新たな安保理改革案を提示した。常任理事国を5カ国から11カ国、非常任理事国を10カ国から14カ国または15カ国に増やし、新常任理事国の拒否権は15年間凍結するというものだ。安保理改革をめぐる新たな駆け引きの幕が上がっている。(文:張貴洪。中国国連協会常務理事、復旦大学国連研究センター執行主任)
G4諸国は10年前にもタッグを組み、国連総会での安保理改革案採択を推進した。だが加盟国の十分な支持を取り付けられないとの見通しから、国連総会での票決は見送られた。10年間で国連改革はいくらか進展した。安保理改革推進のイニシアティブは国連事務局長から国連加盟国の政府間交渉へと移っている。
国連改革の必要性は国際社会の共通認識となっている。安保理についても権威性と代表性を高め、さらなる効果と効率を実現しなければならない。だがいかに改革するかには様々な見方がある。常任理事国を増やすか、増やすならどの国に資格があるか、議席をいかに配分するか、拒否権を持たせるか、いつ拒否権を持たせるかなどの一連の問題について、加盟国間の意見は一致しているとはとても言えない。交渉の進展から見る限り、安保理拡大にあたっては、非常任理事国を増やすか、長期的な非常任議席を設けるかが、より現実的で多数の国の支持を受けられる案となる。
日本の常任理事国入りの問題は議論の的となってきた。日本は1956年に国連に加盟し、過去59年で国連に多くの面で貢献してきた。日本の国連分担金は世界2番目の10.8%を占めている。エボラウイルス対策など国連の事業や活動にも自ら資金を提供している。すでに10回にわたって非常任理事国に選ばれている日本の国連への貢献は無視してはならず、これを正当に評価・賞賛する必要がある。だがこのことは、日本がすでに安保理常任理事国になる資格と能力を持っていることを意味してはいない。