国連は第二次大戦の勝利の産物である。安保理には、世界の平和と安全の維持という責任がある。常任理事国5カ国とその拒否権は、これらの国が第二次大戦終結に対して際立った貢献を果たし、巨大な犠牲を払ったことから与えられた特殊な権力であり、歴史と時代が付与した特別な責任である。安保理常任理事国であるということは、国際社会に対して政治的な責任と義務を負い、平和と安全を守る願いと能力を持ち、外交的な自主性と独立性を持ち、人類の良識と世界の道理の手本となることを意味する。日本は第二次大戦の発動国であり敗戦国である。日本の指導者の第二次大戦の歴史問題に対する認識と外交上の動きからは、日本は常任理事国になるにはまだ遅れていると言わざるを得ない。
安保理の権威と機能は冷戦期の東西対立によって大きく損なわれた。だが冷戦後、安保理の活力と権威は強まり、衝突回避や拡散防止、軍縮、平和維持、平和建設、民間人保護、制裁、テロ対策など多くの面で積極的に責任を果たしてきた。
国連2005年サミットの成果文書は国連改革について、安保理の代表性と効率、透明度を改革によって高め、その効果と正当性を強化する必要が指摘された。代表性を高めるとは、発展途上国とりわけアフリカの発展途上国の代表を増やすことを意味する。アジアも実力と影響を高めており、安保理にアジアの代表を増やすことへの呼び声も高い。現在の安全保障理事会のうちアジアの国は、常任理事国に1カ国、非常任理事国に2カ国が入っている。アジアには日本のほかにも、人口・面積・外交などの面でアジアをより代表できると考えられる国がある。
国連改革も安保理改革も幅広い議題を持っている。両者を同一視してはならないし、後者を単純に安保理常任理事国の増加としてとらえるべきでもない。今年の国連総会においては、ミレニアム開発目標が総括され、2015年以降の発展アジェンダが重点として議論・制定される。まだ条件が成熟しているとは言えない安保理改革の問題に拘泥して、より重要なこのアジェンダの進展を弱めてはならない。加盟国を団結させるのは安保理改革よりもむしろ持続可能発展であり、その方が「国連を強化してより良い世界を実現する」という国連70周年の目標を実現する道と言える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月20日