仏AFP通信(5月18日)によると、海底火山の爆発によってできた日本近海の新島が“成長”を続けており、科学者に生命の起源を研究するための得がたい機会を提供しているという。ある研究者は、鳥類の排泄物が秘密の原材料になって、活火山が大自然に発展していく姿を見ることができると指摘している。
2013年に誕生したこの「新西之島」は東京の南約千キロに位置。誕生後も成長と続けており、生態系の豊富な小笠原諸島の一部をなしていた「旧西之島」をすでにのみ込んだ。
海上保安庁の今年2月の発表によると、同新島の面積は2.46平方キロメートル。先の研究者は、現在の島の表面は溶岩が冷えて出来た岩礁ばかりであるが、将来は“植物の天国”になると話す。
首都大学東京小笠原研究委員会の可知真毅教授は、「生物学者はこの新島をとても重視している。生物進化の最初のプロセスが観察できるからだ。火山の噴火が終ると、まず海流や鳥によって運ばれてきた植物が島で繁殖する。島に来た鳥は、最初その島を仮の住処とするが、やがては終の住処とする。島で生活する鳥の排泄物や羽毛、咀嚼された後の食物、死骸などが栄養の豊富な土壌を形成する。それが海風によって運ばれてきた種子に肥沃な大地を提供する」と話す。
なお、旧西之島に住んでいた多くの生物は噴火とともに、大半が逃げており、わずかに残った生物は火山灰で覆われた植物の上で生活している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月23日