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露日関係が緊張する中、ロシアのショイグ国防相は極東軍区の戦備状況を視察し、特に南クリル諸島(日本名・北方四島)の軍事施設の建設を加速し、国家の領土の安全を保障するよう強調した。本件は日本から強く不安視された。
イタルタス通信の9日の報道によると、ショイグ国防相は8日、極東で東部軍区を視察した際に、南クリル諸島に部隊を駐留させるための軍事施設および関連インフラの建設を加速するよう求め、国家国防司令センターに対して任務の遂行状況を監督するよう命じた。ロシア連邦特殊建設庁はウェブサイトで、南クリル諸島の択捉島と国後島の軍営建設が6月にピークを迎え、約160棟の建物と90の施設を建設する予定と発表した。建築面積は26万平方メートル以上に達し、国産の建材が使用される。ロシア国防省はサハリン島に駐留する航空部隊にSu-30戦闘機を追加配備し、夏の一連の作戦・訓練任務に当たらせる。
日本がG7サミットで対露政策の継続を支持したため、ロシアの不興を買い、両国の領土問題の交渉に影響が生じたと分析されている。安倍首相はドイツで8日、ロシアとの領土問題の解決に向け、プーチン大統領の年内訪日を目指すと表明した。ロシア大統領府のペスコフ報道官は9日、プーチン大統領のスケジュールには訪日の具体的な日程が含まれないと答えた。
ロシアのテレビ局は9日、「露が南クリル諸島の軍事基地の現代化建設を加速、日本を緊張させる」と題した報道の中で、「日本は常に南クリル諸島を狙っている。ショイグ国防相が現地の軍事施設の建設を加速することを発表し、日本を再び不安にさせた」と報じた。共同通信社は、「米国との軍事的な緊張情勢により、ロシアの極東戦略の重要性が高まっている。ゆえに軍事施設の建設の加速を強調する必要性があった」と伝えた。
拓殖大学海外事情研究所教授の川上高司氏は、夕刊フジの公式サイト「ZAKZAK」に記事を寄せ、安倍首相の「地球儀俯瞰外交」について、「日本とロシアの関係は非常に重要だ。米国が世界の警察だった時代と異なり、現在は日米同盟があっても国際社会での地位を維持できなくなった。複雑化する国際情勢において、良好な日露関係は安倍政権にとって、世界各国と外交の駆け引きを展開するための重要な切り札になる。米中露の三角関係という現状において、日露の外交は安倍首相の外交の山場になる」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年6月10日