軍事協力も日本を不安にさせている。露中が計画中の日本海における新たな合同演習に、日本は戦々恐々としている。キスタノフ所長は、「安倍首相がプーチン大統領を招待するのは、後者を習近平国家主席や中国から引き離すためだ。これは明らかなことだ。また日本は中国との間に、釣魚島(日本名・尖閣諸島)および南中国海をめぐる大きな食い違いを抱えている。日本は中国が、タンカーの定期的な航行や、その他の貨物の輸送に用いられるシーレーンを制御する可能性があると判断している」と分析した。
ゆえに日本は中国けん制を主張している。安倍首相はドイツで開かれたG7サミットで、この点について触れた。関連する決議が議決されたが、抽象的な形式で、中国に言及することもなかった。安倍首相はこれに不満を抱いている。安倍首相がプーチン大統領を招待するのは、G7に対して「中国に圧力を掛けたくないのなら、クリミアやウクライナの問題で歩調を合わせることはない。独自の政策を進める」と表明するためだ。
この方針は、日本の漁業の利益にも合致する。キスタノフ所長は、「日本は現在も流し網漁を認めている。ロシアはこれが、魚類に取り返しのつかない損失をもたらすと考えている。ロシア連邦議会両院は、流し網の使用禁止を決定した。しかしこれは日本にとって非常に苦しいことだ。北海道は漁業で成り立っており、ロシアの排他的経済水域も含まれる。安倍首相は電話の中で、プーチン大統領に同法案を可決させないよう求めた。現在は大統領のサイン待ちの状態で、いかに解決されるか不明だ。日本はロシアの禁止法案を、対露制裁の報復と考えている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年7月1日