元米軍捕虜のみに謝罪、中韓は不満を表明

元米軍捕虜のみに謝罪、中韓は不満を表明。 中韓のメディアとネットユーザーは日本企業が中韓両国を避け、米国の労働者のみに謝罪したことに強い不満を表明した…

タグ: 三菱マテリアル 米軍捕虜 謝罪

発信時間: 2015-07-21 11:28:10 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

三菱マテリアルは現地時間19日に米ロサンゼルスで、第二次大戦中に同社によって強制的に働かされていた元米軍捕虜に謝罪した。共同通信社の20日の報道によると、日本政府は5年前に第二次大戦中の米軍捕虜の強制労働問題について謝罪していたが、企業による正式な謝罪はこれが初のケースだという。日本メディアが「誠意ある謝罪」と報じる一方で、中韓のメディアとネットユーザーは日本企業が中韓両国を避け、米国の労働者のみに謝罪したことに強い不満を表明した。中国の日本問題専門家の劉江永氏は20日、環球時報の取材に応じた際に、「日本が米国の労働者に謝罪したのならば、歴史を勇敢に正視し、中韓の労働者をも同一視するべきだ」と指摘した。

日本メディアが、元米軍捕虜への謝罪が「丁寧」で、「誠意ある」ものだったと極力誇張する中、韓国と中国は謝罪の意図を疑問視した。韓国紙は20日の社説で、「日本企業はなぜ他国の強制連行された労働者を顧みず、元米軍捕虜のみに謝罪したのか。日本は、他国の労働者の強制連行を認めないのか、それとも政治的に米国に取り入ろうとしているのかを、はっきりさせなければならない。日本政府は企業を責任逃れの口実に利用し、歴史を歪曲し安保関連法案を強行採決するといった問題で、国際社会から受ける圧力を軽減しようとしている疑いがある」と論じた。韓国のウェブサイトは、「日本がこうするのは、米国を歴史問題清算の仲裁役にしたいからだ」と分析した。韓国聯合ニュースは20日、ネットユーザーの観点を引用し、「強者に頭を下げ、弱者を踏みにじる日本の民族性を考えれば、謝罪や賠償を求めるよりは自国を強くするべきだ。日本企業の今回の謝罪は、安倍晋三首相が8月に発表する戦後70年談話と関連している可能性がある。日本は本件により、事前に米国と良好な雰囲気を作ろうとした」と指摘した。

第二次大戦中に強制連行された中国人労働者の賠償請求に力を貸す弁護士団は先ほど、「三菱マテリアルは中韓の強制連行された労働者に謝罪せず、遠い米国を選んだ。彼らが心から反省しているのか、それとも商業的な利益が狙いであるのかと疑わざるをえない」と疑問視した。中国メディアは、「関連データによると、第二次大戦中に日本の各地に強制連行された中国人労働者の数は4万人弱で、うち約7000人が酷使され死亡した。三菱鉱業と三井鉱山で強制的に働かされていた中国人労働者は1万人弱で、1700人以上が死亡した」と報じた。20日付毎日新聞は、「韓国側は労働者が日本に強制連行されたことについて、三菱マテリアルを数回訴えている。中国人労働者も昨年3月に同社を相手取り訴えを起こしたが、同社は現在も中韓の労働者に謝罪や賠償をしていない」と伝えた。

清華大学現代国際関係研究院副院長の劉江永氏は20日、環球時報の取材に応じた際に、「三菱マテリアルが元米軍捕虜に謝罪したのは、全体的な外交戦略によるものだ。今年は第二次大戦戦勝70周年記念で、米国は日本がこの機を借りて歴史などの問題で韓国との関係を改善し、米国主導の北東アジア同盟体制を確固たるものにすることを願っている。安倍政権は歴史問題で深く反省しようとしていないが、米国とともに中国をけん制しようとしている。そのため三菱マテリアルの名義で謝罪し、米国に申開きをした。また日本が米国への謝罪に積極的なのは、米国が中韓のように賠償を請求しないからだ」と述べた。劉氏は、「日本企業の今回の謝罪の対象は米国のみだったが、謝罪しないよりはましであることを認めなければならない。とは言え日本は米国人に謝罪した以上、中韓の労働者に対しても政治的に謝罪を行い、家族の権利を法的に尊重しなければならない。さもなければ新たな問題が浮上し、国のイメージを損ねることだろう」と強調した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年7月21日

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