(写真:ドイツのブラント首相。1970年のポーランド訪問中に、ユダヤ人ゲットー記念碑前でひざまずく様子)
ハフィントン・ポスト「ワールドポスト」の主筆、米ベルグレン研究所およびカリフォルニア州長期的開発委員会上級顧問のネイサン・ガーデルズ氏は最近発表した文章の中で、「終戦70周年を迎え、日本は歴史の選択肢に直面している。安倍政権の今日の行為は、日本の未来を直接決めるだろう」と指摘した。要約は下記の通り。
日本が「正常な国」としてアジアの新たなコミュニティに回帰するためには、歴史の直視から始めなければならない。安倍晋三首相の平和憲法改正の動きがこれほど挑発的になっているのは、日本政府の過去に対する反省がいずれの隣国も納得させていないからだ。
日本がアジアに回帰するためには、一つの世代の時間を丸々費やす必要があるかもしれない。安倍首相は今のうちに姿勢を示し、日本のかつての植民地支配と侵略の行為について謝罪するべきだ。
ドイツのメルケル首相が昨年3月訪日した時、筆者はちょうど日本にいた。メルケル首相は当時、納得される反省をするよう安倍首相に促した。ドイツは反省によって、過去1世紀に渡り2度の壊滅的な戦争に見舞われた大陸に平和的に溶け込んだ。
安倍首相は文言に苦心するのではなく、ブラント首相のように率直かつ誠意ある姿勢を示すべきだ。これは大きな説得力を持ち、かつ時間により冷え込んだ心の氷を溶かすだろう。
対抗に向かうか協力を開始するか。日本の現在の行為は、日本と隣国の未来の関係にとって極めて重要だ。
安倍首相がブラント首相にならうとは想像しがたいが、日本はこの歴史的な瞬間に2つの選択肢に直面している。メンツのために過去の罪を無視し、地域の緊張情勢を激化させ続けるか、それとも率直に現実を正視し過去に別れを告げ、アジア全体の美しい未来を手にするかだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年8月14日