TPP交渉、なぜこれほど難航しているのか?

TPP交渉、なぜこれほど難航しているのか?。

タグ: TPP 貿易

発信時間: 2015-09-15 13:16:45 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

記者はTPP交渉の閣僚級会合を取材したことがある。会合は非公開だったが、少しは様子を伺うことができた。まずは交渉の形式を見ていこう。これらの交渉に参加する各国間で交渉を行い、それぞれ大勢の代表団を派遣する。その中には、異なる分野の専門家が含まれる。非公開であるため、往々にして長い時間が費やされ、時には朝から晩まで数日間も続けることがある。交渉に参加する閣僚は、みな精力旺盛だ。

次に一部の分野の交渉は、往々にして相互関連性を持つ。例えば市場進出だ。ある程度の譲歩を示さなければ、それに応じた利益を手にすることができない。公開されている情報とかすかな手がかりから判断すると、米国は日本が厳しく保護している農産物市場(コメなど)の開放を願っている。日本は米国に対して自動車市場の開放を願っているが、米国にとって自動車市場は大きな利益を意味する。

今年7月の交渉で行き詰まったのは、その他の問題も交渉のテーブルに上がったことが一因だ。例えばどこに行っても牛や羊ばかりのニュージーランドは、畜産物市場の進出に関する問題で、他国に広い心を求めた。米国とオーストラリアは製薬業界の特許権存続期間の延長について、大きな食い違いを見せた。

TPP交渉はいわゆる「高基準」を掲げているが、現地に則した内容とはなっておらず、物議を醸す条項も多い。例えばグローバル企業が進出先を訴訟する権限、国有企業に関する規定、製薬業界の長すぎる特許権存続期間などだ。原産地に関する一部の規定も排他的とされている。そのうち中心となっているのは、TPP加盟国の原材料もしくは部品を使う比率が高い製品に対して、より多くの関税面の優遇措置を適用するという内容だ。

TPP交渉の貿易促進権限が米議会で通過しているが、現在も依然として一つの問題が残されている。カナダは10月19日に選挙を行うが、次の閣僚級会合がその時まで延長された場合、カナダは選挙後に組閣に忙殺されることになる。さらに遅れれば、米国の大統領選の期間に突入する。TPP交渉の推進は、短期的により困難になる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年9月15日

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